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日韓中の「外相直列」。中国は「日中の外相会談」を拒否。「日韓外相会談」は開催するも……驚くほど空っぽ

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カンボジアで開催のASEANの会合で各国外務大臣が集結しておりましたが、中国がぶんむくれです。

もちろんペロシ下院議長が台湾を電撃訪問したことによりますが、2022年08月04日、G7が台湾問題についての共同声明を出しました。これが火に油を注いだようで、中国の王毅外相はカンカンになっていらっしゃいます。

先にご紹介したとおり、ペロシ下院議長が台湾を離れてから実弾演習を開始。日本のEEZ内にミサイルが落下するという事態になっています。

台湾を威嚇したいのでしょうが、もったいないので無駄玉を撃つのはやめたらいかがでしょうか。合衆国に当たれないので日本に当たるというも迷惑ですから、ぜひやめていただきたいものです。

本当に戦争になったら困るのは中国の方です。

G7の共同声明が油を注いだ!

まず、以下が実弾演習を始めた中国に対してG7が出した声明です。

8月4日(日本時間)、G7外相は、標記声明を発出しました。

(声明仮訳)
我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国及び米国のG7外相並びにEU上級代表は、台湾海峡及びその他の地域において、ルールに基づく国際秩序、平和及び安定を維持するという我々の共通のコミットメントを再確認する。

我々は、不要なエスカレーションを招く危険がある、中華人民共和国による最近の及び発表された威嚇的な行動、特に実弾射撃演習及び経済的威圧を懸念する。

台湾海峡における攻撃的な軍事活動の口実として訪問を利用することは正当化できない。

立法機関に属する者が我々の国から国際的な渡航をするのは通常かつ日常的なことである。

中華人民共和国のエスカレートした対応は、緊張を高め、地域を不安定にさせる危険がある。

我々は中華人民共和国に対し、地域において、力による一方的な現状変更をしないよう求め、また、両岸の相違を平和的手段で解決するよう求める。

G7メンバーそれぞれの、一つの中国政策(該当する場合)と台湾に関する基本的立場に変更はない。

我々は、台湾海峡の平和及び安定の維持に対する我々の共通かつ確固たるコミットメントを改めて表明し、全ての当事者が冷静さを保ち、自制し、透明性を持って行動し、誤解を防ぐために開かれた意思疎通を維持することを促す。

⇒参照・引用元:『日本国 外務省』公式サイト「台湾海峡の平和及び安定の維持に関するG7外相声明」

「一つの中国」という認識は変わらないから落ち着け、と諭すような文書です。

この声明に反発した中国が、予定されていた日中の外相会談を拒否。こういう状況だからこそ会って話した方がいい、と思われるですが、ペロシ下院議長の訪台によってメンツ丸つぶれになった中国は頭に血が上っており、そこまで気が回らないようです。

実はASEAN会議での「いい写真」があるのです。以下をご覧ください。

左から日本の林外相、韓国の朴外相、韓国の王外相が並んでいます。いわば外相直列ですが、王毅外相の顔面が朱色になっているのが面白い点です。

日に焼けたせいかもしれませんが、中国が真っ赤になって怒っているのを象徴しているように見えないでしょうか。お三方が三様にそっぽと向いているのがいい味になっています。

驚くほど中身がなかった日韓外相会談

一方で日韓の外相会談は開催されました。

以下が韓国の外交部が出したプレスリリースです。一応全文和訳を併せて掲載しますが、飛ばしていただいて全然大丈夫です。

なぜなら、特記することが何もないというすごい内容だからです。

□朴振(パク・ジン)外交部長官は、ASEAN外交長官会議への出席を契機として、日本の林芳正外務大臣と08月04日(木)、14:30-15:05(現地時間)に日韓外交長官会談を行い、両国間の未来志向的な関係発展のための方案や諸懸案と相互の関心事について意見を交換した。

□今回の会談は、去る外交長官訪日時、日韓外交長官間のより緊密なコミュニケーションが必要であるという共通認識によって行われたもので、今後も長官間を含め、各級で両国間協議を加速していこうという意見で一致した。

□朴長官は、インド・太平洋地域内で増大するASEANの重要性を勘案し、同地域で両国間の協力を拡大していく必要があると述べた。

□両大臣は厳しい朝鮮半島情勢などを考慮し、日韓および日米韓での協力を継続していこうという認識を共にした。

朴長官は韓国政府が「ソウルフェスタ2022」をきっかけに、日本・台湾・マカオを対象とした一時(08月04~31日)ビザ免除を実施することにしたことを紹介し、今後も両国間の人的交流の再活性化のための制度的基盤準備努力を続けていこうとした。終わり。

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「日韓外交長官会談(08月4日)結果」

ひっかかる部分といえば「両国間の……懸案と相互の関心事について意見を交換した」という箇所だけです。

一部の韓国メディアでは「歴史問題について話し合われた」という情報が出ていますが、驚くべきことに日本の外務省からは「日韓外相会談」についてのプレスリリースが一切出ていません(2022年08月04日20:09現在)。

つまり、日本にとって特筆すべきことが何もなかったということでしょう。これは日韓の話し合いが行き詰まっていることを示しているのではないでしょうか。

日本のEEZ内に中国のミサイルが落下したので、外務省は韓国どころではないのかもしれませんが。

(吉田ハンチング@dcp)

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