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韓国「ペロシに会わない」で与野党が紛糾。「中国を刺激しない」ように日和った

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2022年08月03日夜、アメリカ合衆国のペロシ下院議長が韓国に到着。

翌04日には、金振杓(キム・ジンピョ)国会議長(野党『共に民主党』所属議員)との会談が行われました。

会談後、両国会議長は「韓米同盟発展に対する両国国民の期待を盛り込んで、同盟70周年記念決議案の採択を積極的に検討することにした」と明らかにしました。

それはいいのですが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の方はというと……。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は結局ペロシ下院議長と面会はしませんでしたが、電話で40分間の通話を行いました。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とペロシ下院議長が話したのは主に「北朝鮮関連」についてです。韓国メディアの報道によれば、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は以下のような発言を行ったとのこと。

「今回のフェロシ下院議長一行の訪問が韓米間の強力な対北抑止力の兆候になるだろう」

「05月の米韓首脳会談で、ジョー・バイデン大統領と約束したグローバル包括的戦略同盟を今後発展させるために合衆国議会とも緊密に協力する

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「尹, 펠로시와 40분 통화… “의장 방한은 강력한 대북억지 징표”」

ペロシ下院議長は、まず「尹大統領が夏季休暇で家族と時間を過ごす中で時間をくれたことに感謝する」と述べ、米韓同盟の結束について語り、また「今後も米韓の間で、自由で開かれたインド太平洋秩序を一緒に整えていきましょう」と提案したとのことです。

通話の終わりには「今後、ユン大統領との出会いを楽しみにしている」と語ったとのことです。「会う時間もないのか」という嫌味に聞こえなくはないですが、それはうがち過ぎなのかもしれません。

ねじれた与野党対立

今回の「ペロシ下院議長に会わない」という尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の姿勢について、韓国では興味深い対立が起こっています。

与党『国民の力』では「会わないのはまずいだろう」という声が、野党『共に民主党』では「会わなくて正解」という声が挙がっているのです。

会わないという判断に対して与党側が反対、野党側が賛成というねじれ現象が起こったのです。

これは中国に対する姿勢から出たものです。

上掲のとおり、ペロシ下院議長に対して「中国」について一切話題に出していません。台湾を強行訪問したペロシ下院議長との対話にしては、極めてヘンです。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は意図的に中国(そして台湾)の話題を避けたとしか考えられません。

先にご紹介したとおり、韓国にはこれから中国との難儀な交渉が待っています。朴振(パク・ジン)外交部長官が中国に向かいますので、「一つの中国原則を壊してメンツを潰したペロシ下院議長を優遇しやがった」と中国にとられたくないのでしょう。

前文在寅政権を支えた現野党『共に民主党』からすれば、「中国を刺激するのはよくない」ので、今回の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の「会わない」はいい判断ということになります。

韓国と合衆国は血盟」と称する国としては、大統領権限継承順位No.2のVIPが訪問しているというのに、「電話で話しました」ではいささか物足りないのではないでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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