韓国では、鉄筋ヌケで建設されたマンションが多数見つかり大問題となっています。
そもそもの発端は、2023年04月29日に起こった「地下駐車場の崩壊」です(上掲写真)。地震も何もないのに突然駐車場が崩れたので調べてみたところ、このマンションの柱には規定どおりの鉄筋が入っていなかったことが発覚しました※。
この「鉄筋ヌケ」が、『LH』(韓国土地住宅公社)の発注マンション全数調査につながったのです。Money1でもご紹介したとおり、調査の結果、中には154本の柱全てで鉄筋ヌケ(せん断補強筋ヌケ)という驚くべき欠陥が発見されたマンションもありました。
※ついでながら、『LH』が調査を依頼した『大韓建築学会』によると、地下駐車場が崩壊したマンションではコンクリート壁の一部に強度不足があったことも分かりました。
『GS建設』は発端となった「地下駐車場が崩壊したマンション」の施工会社でしたが、2023年08月27日、韓国の国土交通部は、同社に対して「(最大)10カ月間の営業停止処分」を行うことを明らかにました。
建設事業管理会社に対しては「営業停止8カ月」、設計会社に対しては「登録取り消し」をそれぞれ推進するつもりです。
↑断固たる処置を行うと述べる元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官。日曜日だというのにお疲れ様です。
国土交通部では同日、元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官が自身の主催する会議を開催。事故責任者の違法行為に対して容赦のない処分を行うことにした――と発表しました。
元喜龍(ウォン・ヒリョン)長官は「後進国型の不良工事で国民の住居の安全を心配させてしまったことに大きな責任を感じる」とし、「違法行為は法律で定めている最も厳しい処罰を通じて断固として対処し、建設業界に蔓延している建設カルテルを挑戦的に打破し、国民が安全に暮らせる環境を整えたい」と述べています。
「後進国型」なのかどうかは分かりませんが、厳しく当たるのはいいことでしょう。
ただ、それで施工会社がルールに従うようになるか、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の指摘する「利権カルテル」がなくなるか――はまた別問題です。
(吉田ハンチング@dcp)