2023年11月13日、韓国の関税庁が「2023年11月01日~11月10日の輸出入状況」のデータを公表しました。定点観測です。
2023年11月01~10日
輸出:182億3,700万ドル(3.2%)
輸入:199億7,700万ドル(1.2%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-17億4,100万ドル2023年01月01~11月10日
輸出:5,375億5,900万ドル(-9.6%)
輸入:5,574億1,100万ドル(-11.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-198億5,200万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2023年11月01日~11月10日の輸出入状況」
2023年11月は「貿易収支:-17億4,100万ドル」とまた赤字スタートですが、10月の最初の10日間は「-53億4,300万ドル」でしたから、比較するとはるかにマシです。
輸出が対前年同期比で10月にやっとプラスに転じたのですが、11月もその回復基調を維持しているように見えます。しかし、ずっと下がり続けたという「基底効果」があることも見逃してはなりません。
通関ベースのこれぐらいの赤字なら国際収支統計では黒転できます。
韓国にとって明るい話としては、やっと半導体の輸出が対前年同期比で以下のようにプラスになったことです。
2023年11月01~10日
半導体:27億9,600万ドル(+1.3%)※( )内は対前年同期比の増減
半導体の回復が切望されていましたが、やっとこさ対前年同期比プラスの目が見えてきました。ただ、これも基底効果があることを見逃さないようにしないといけません。
もうひとつの問題である対中国貿易は以下のようになっています。
↑黄色の蛍光マーカーが「対中国輸出」。赤の蛍光マーカーが「対中国輸入」です。2023年11月01~10日
対中国輸出:38億9,300万ドル(-0.1%)
対中国輸入:43億3,900万ドル(-2.9%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-4億4,600万ドル※( )内は対前年同期比の増減
対中国貿易は赤字が継続しています。
2023年は10月までで対中国貿易は、上掲のとおり、約-173億ドルの大赤字となっています。これをかつてのように黒字にひっくり返すのは、恐らく不可能です。
韓国がこのまま輸出一本槍の経済を志向するのであれば、どこか他の「大儲けできる国(あるいは地域)」を見つけないといけません。もっともそれが見つからないので苦労しているのですが。
韓国メディアで最近「中東の夢よもう一度」といった記事が出るのは、「中国以外を探さないともう無理」という背景があります。
もっとも、その一度目の「中東の夢」は悪夢のような結果となったのですが(以下の記事を参照してください)。
(吉田ハンチング@dcp)