定点観測です。2023年12月22日、韓国の関税庁が「2023年12月01~20日の輸出入現況」のデータを公開しました。以下をご覧ください。
2023年12月01~20日
輸出:378億7,200万ドル(13.0%)
輸入:362億5,600万ドル(-9.2%)
貿易収支(輸出 – 輸入):16億1,600万ドル2023年01月01~12月20日
輸出:6,129億700万ドル(-7.5%)
輸入:6,257億4,200万ドル(-12.1%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-128億3,400万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「2023年12月01~20日の輸出入現況」
月央の貿易収支は「16億1,600万ドル」となり、プラスで回りました。これは韓国にとっていいことです。
韓国の場合には毎月最後の10日間に大きな黒字になりますので、これで12月の(通関ベースの)貿易収支は黒字で締まるのはほとんど確実です。
2023年の累計では貿易収支は「-128億3,400万ドル」で、これはもうひっくり返すことは不可能です。そのため、韓国は2022年に続いて(通関ベースの)貿易収支は赤字が確定です。しかし、赤字幅を大きく減らすことができました。
また韓国にとって助かることに、12月・月央は対前年同期比で「+13.0%」と良い結果になりました。しかし、輸入は上掲のとおり「-9.2%」と減少幅は大きいです。
これは「不況型黒字」の特徴を示していると見ることができます。実際、Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国は不景気です。
ただ、今回の公表では非常に興味深い結果が含まれています。以下をご覧ください。
↑黄色の蛍光ペンでマークしたのが対中国輸出、赤色の蛍光ペンでマークしたのが対中国輸入です。対中国輸出額が「71億7,500万ドル」ですが、その金額は対アメリカ合衆国輸出「76億1,600万ドル」を下回りました。
上掲のとおり、対中国輸出は対合衆国輸出よりも下となったのです。これまで韓国にとって最大の輸出国はいつも中国でした。ところが、対合衆国輸出が「30.2%」も増加して対輸出額第1位となったのです。
しかし、上掲のとおり、対中国輸入はいまだに第1位で、その金額は「76億9,000万ドル」もあり、第2位の合衆国の「43億5,600万ドル」の約1.8倍あります。
中国が韓国から輸出を減らしても、韓国は中国から輸入は減らないということです。対中国輸出が減って輸入は減らないわけですから、韓国の対中国貿易の赤字幅は大きなることを意味しています。
Money1でもご紹介したとおり、2023年ついに対中国貿易赤字は累計「-180億ドル」に達しました。
↑(通関ベースの)対中国貿易赤字の月次推移。01~11月累計で「-180.0億ドル」。
これに12月分が乗るわけです。12月は上掲のとおり、「輸出:71億7,500万ドル」「輸入:76億9,000万ドル」ですので、20日時点で「貿易収支:-5億1,500万ドル」となります。
残念ながら01~12月累計で「-200億ドル」には達しないでしょうが、それでも巨額赤字であることには違いありません。
恐らく2024年になっても対中国貿易では赤字という方向は変わらないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)