「いりもしない空港」の建設を協力に推進する――という話の続報です。大笑いな事態となりました。
↑CGは素晴らしい「加徳新国際空港」の完成予想図。この空港は採算が取れないことが分かっていますし、極めて政治的に建設が決定された無駄な箱物です。
2024年08月19日、釜山隣の加徳島に新国際空港を造るという計画への入札がまた空振りしたので、国土交通部はまた再公告のお知らせを出すことになりました(以下)。
加徳島新空港の敷地造成工事を再公告実施
-08月20日再公告、09月05日、事前審査申請書を受け付ける国土交通部(長官パク・サンウ)は08月19日、加徳島新空港の敷地造成工事が現代建設主管の共同受注体(コンソーシアム)が単独で事前審査申請書を提出し、落札されたため、国家契約法に基づき、調達庁に再公告を要請したと明らかにした。
ㅇ再公告は調達庁を通じて08月20日(火)に実施される予定で、参加を希望する企業は事前審査申請書及び共同受注協約書を09月05日(木)までに提出すればよい。
政府は今回の再公告を通じて競争を誘導して優秀な業者を選定し、事業者が選定されれば、加徳島新空港建設公団と協力して建設自動化設備の導入、最新工法適用による工事期間の短縮など、’29年開港に向けて最善を尽くす計画だ。
まず、2024年05月17日、韓国の調達庁が造成工事に入札するよう公告を出しました。
「10兆5,300億ウォン」の造成工事で、これは国が投入する予定の「13兆4,913億ウォン」の「約78.1%」に当たります。
しかし、2024年06月05日に書類提出の期限がきたのですが、この公告に対する建設会社の入札はゼロでした。一社も参加しなかったのです。
仕方がないので国土交通部は、2024年06月07日に再公告を出しました。
ところが……『現代建設』が主導するコンソーシアムが一つだけ参加。これでは競争にならないのでやっぱり空振り(笑)。
これが「単独で事前審査申請書を提出し、落札されたため、国家契約法に基づき、調達庁に再公告を要請した」の意味です。
で、上掲のようにまた公告を出す羽目になったのです。
事態をまとめると以下のようになります。
加徳島新国際空港建設事業事業は、加徳島一帯を埋め立てて造成する666万9,000㎡の土地に、金海国際空港※に代わる空港を建設する超大型プロジェクト。
※釜山広域市江西区大渚洞にある国際空港です。
今回発注される用地造成工事は、滑走路や駐機場、旅客ターミナルなどの空港施設と、港湾外郭施設、橋梁などの設備を建設する事業となっています。
前記のとおり総事業費13兆4,913億ウォン。このうち造成事業に10兆5,300億ウォン(78.1%)が投入されます。
加徳島新空港用地造成工事が不成立となったのは今回が3回目(ぷっ)。
第1次入札には応札企業がなく、第2次入札では現代建設などが結成したコンソーシアムだけが参加。
競争が成立せず不成立に(←今ココ)。
頭にきたのか国土交通部は、入札参加条件を緩和。企業の参加を促す「なだめすかし」モードに入りました。
施工能力評価額上位10社による共同受注の範囲を2社から3社に拡大し、工期も6年から7年に延長。設計期間も従来の10カ月から12カ月に延ばしました。
事業者が決定しないと、竣工が後ろへずれることが十分考えられます。
そもそも「設計は10カ月でやれ」「工事期間は6年が絶対」などという無茶苦茶な(というか韓国らしいパリルパリルな)企画でしたが、これを「設計にはもう2カ月やる」「じゃあ工期を1年伸ばしてやる」みたいな話が「条件緩和」といえるのでしょうか。
こんな拙速でいい加減な態度だから、「おから工事」が横行し、後で唖然とするような事故が起こるのです。
モノが空港ですから、ヘタを打つと『メーデー』案件発生があり得ます。NTSB調査官の皆さんが韓国出張になるかもしれません。
韓国では「もう無理に競争入札の形にしなくても随意契約にすればよくね?」という意見が出始めているので、これまた傑作です。まあ一応『現代建設』のコンソーシアムが手は上げたわけですから、気持ちは分からんでもありません。
この超絶不人気なママだと格好悪いことおびただしいですからね。
さあもう出だしから蹴躓いている「新空港計画」の明日にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)