
2022年07月にKF-21試作初号機が初飛行に成功し、2023年07月までに試作6号機までの6機が完成して、テスト飛行を重ねてきました。
2号機(単座):初飛行2022年11月10日
3号機(単座):初飛行2023年01月05日
4号機(複座):初飛行2023年02月20日
5号機(単座):初飛行2023年05月16日
6号機(複座):初飛行2023年06月28日
↑KF-21初号機は2022年07月19日15:40ごろ慶南四川空軍基地滑走路から離陸。これが初飛行でした。初飛行の様子を伝える動画/YouTube「防衛TV」チャンネル
上掲は2024年03月19日に行われた空中給油のテストの動画です(無事に成功しました)。
「KF-X事業」は、2001年03月に当時の金大中(キム・デジュン)統領が「先端戦闘機の自主開発」を宣言したことで推進されました。
そもそもの目標は2015年までにKF-Xの1号機を量産する計画だったのですが、事業妥当性を巡って省庁間で賛否両論が続くなど試行錯誤があり、事業が本格化したのは2010年末のこと。
Money1でも都度都度ご紹介してきましたが、ロードマップでは2026年下半期に「量産1号機」が空軍に初めて引き渡される予定――となっています。
韓国メディア『ソウル経済』は、
(前略)
KF-21の成功的な飛行は、韓国がロシア、アメリカ、スウェーデン、欧州コンソーシアム(ドイツ・イギリス・スペイン・イタリア)、日本、中国、フランスと肩を並べる「超音速戦闘機開発8カ国」の隊列に加わったことを意味する成果である。国産化率65%を誇る韓国型戦闘機だ。
「韓国型」とは「韓国が主導した」という意味で、「韓国が主導して開発した戦闘機」を指す。
(後略)
――と書いています。
2026年下半期に量産機の配備を開始します(予定)が、これは「ブロックI」で、2028年までに「ブロックⅡ」(対地攻撃能力を獲得したバージョン)を完成させ、2032年までに120機を実戦配備することを目標としています。
ソウル経済の記事では、
「KF-21は5世代ラプターの一部ステルス機性能を搭載しており、『戦闘機の目』と称されるAESA(Active Electronically Scanned Array)レーダーを備えている。
KF-21のAESAレーダーは、海外からの技術移転なしに国内技術力のみで完成させた」
――と書いていますが、これがまた非常に怪しいところです。
合衆国から技術供与を一蹴されたので、独自開発を余儀なくされたのですが、イスラエル『IAI/Elta』 が「試作や試験」に関与しており、実際に韓国『ハンファ』が2021年に『Elta Systems』 とAESA関連の契約を締結したことが、海外メディアでは報じられています。
またスウェーデンの『Saab』がKF-X(KF-21)関連のAESAレーダー開発で、アルゴリズム開発・評価支援を受注した――という報道もあります。
自称「海外からの技術移転なしに国内技術力のみで完成させた」は非常に怪しいのです(筆者は「大ウソ」だと考えます)。
AESAは
半導体
高周波工学
電子戦
信号処理
ソフトウェア
実戦データ
――が積み上がった国家レベルのコア技術です。韓国が独力で造れるようなものではありません。
さらに、先にご紹介したミサイルの問題があります。ポーランドがだまくらかされて、韓国産のポンコツ練習機FA-50をつかまされましたが、「使えるミサイルがない」という問題に直面しています。
同じことが、KF-21にも当てはまるのです。合衆国が技術供与を一蹴したため、合衆国産の空対空ミサイルが使えません。
したがって選択肢は、イギリス製Meteor(ミーティア)、ドイツ製AIM-2000ミサイルになります。ではそれが使えるのかというと、「本当に?」なのです。
ミーティアは中距離(BVR)空対空ミサイルで、AIM2000(IRIS-T)は短距離(WVR)空対空ミサイルです。
※「BVR」はBeyond Visual Rangeの略で「射程外戦闘(目で見えない距離での空戦)」、「WVR」はWithin Visual Rangeの略で「視程内戦闘」を意味しています。
韓国メディアでは「(合衆国から蹴り飛ばされたので)この両方のミサイルが使える」としていますが、購入できたとしても実際に戦闘で使えるかどうかは「これから」です。なぜなら、新造されたレーダーがきちんと機能するのか分からないからです。
KF-21のAESAレーダーは、
実戦経験ゼロ
強電子戦環境での検証データ非公開
敵ステルス機相手の実証なし
――なので、たとえイギリス、ドイツからミサイルを購入しても、KF-21から発射して使えるものなのかはまったく不明なのです。
それこそ実験してみないと分かりません。韓国では「空対空ミサイルを国産化する」という声も上がっているのですが、こちらも「できるの?」「いつできるの」――です。
2026年09月から量産機が配備される予定――なのですが、へたすると「ミサイルの使えない丸腰戦闘機」が配備されるかもしれません。
KF-21試作機は、42カ月間で計約1,600回の飛行試験を遂行した――となっていますが、実際に使える戦闘なのかどうかは未知数です。
今年上半期までに「最終戦闘用適合」判定を経て、早ければ12月に空軍へ1号機が引き渡される予定となっています。
韓国空軍は、
2026~2028年に40機
その後2032年までに追加80機
――と、計120機を配備し、老朽戦闘機であるF-4、F-5を代替する計画です。
ただし、読者の皆さまもご存じのとおり、韓国政府は財政難です。
KF-21の40機量産および戦力化計画を1年遅らせ、「2029年まで」と延長する案が取り沙汰されています。このプランが採用された場合、ブロックⅠのみならず、ブロックⅡ(空対地兵装を装備)の開発および兵装統合日程も後ろにずれるでしょう。
いらないんじゃないでしょうか。







