ずいぶん前にご紹介したことがありますが、中国が外国に設立する「孔子学院」という施設があります。
これは一応、中国の文化を外国に広く紹介するもの――となっており、中国語について教えたり、中国の紹介を行うプログラムを行っていたりします。
しかし孔子学院は、「中国共産党の政治的宣伝や影響力拡大のための拠点として機能している」という批判を受けるものです。浸透工作を行うためのスパイ機関である――という指摘もあります。
実際、孔子学院では中国共産党の幹部出身者が責任者を務めます。
アメリカ合衆国の『FBI』(Federal Bureau of Investigationの略:連邦捜査局)は、中国共産党の活動拠点として機能しているとし、合衆国では孔子学院の閉鎖・追放に舵を切りました。
かつて合衆国に118カ所も孔子学院があったのですが、『GAO』(米国政府監査院)の2023年10月10日に公開されたリポートによれば、「合衆国の孔子学院がほぼ全て閉鎖された」とのこと。
小中国・韓国でも、孔子学院は忌避される方向となっています。
『朝鮮日報』の報道によれば、
2024年10月06日、韓国・忠清南道公州にある『永明高校』(1906年開校)が、来年初めに予定されていた孔子学院の設立計画を無期限で保留する、と発表しました。
※ちなみにこの『永明高校』は、日本併合前の1906年、宣教師によって設立された学校の後身です。
(前略)
同校は、2024年08月、『順天郷大学孔子学院』と覚書(MOU)を締結しましたが、これに対し、学生や保護者から「中国の『侵入の窓口』である孔子学院をなぜわれわれの学校に設置するのか」との反発が起こった。また、『孔子学院の実態を知らせる運動本部』などの反中団体もこれに加わり、特に独立運動家を多く輩出した『永明高校』に孔子学院が設置されるのは不適切だと主張した。
『永明高校』のヨ・ヤンヒョン校長は、「韓中間の言語教育と学術交流など良い趣旨で進めたことだが、ここまで論争が大きくなるとは思わなかった」と述べ、「いったん設立を無期限で保留し、学校内で議論を経て中止も検討する予定」と話しました。
(後略)
韓国内では、現在39カ所に孔子学院が存在します。この『永明高校』による「孔子学院の設立中断」は計画段階で中断された初の事例――とのこと。
韓国でも「反中国」機運は存在し、孔子学院を忌避する動きがあるわけです。韓国が自由主義陣営国側に立つのであれば、「中国共産党による浸透工作の拠点」と目される孔子学院の設立を許すのは間違いです。
日本も、合衆国にならって孔子学院を潰すべきです。
(吉田ハンチング@dcp)