韓国『新韓証券』虚偽のスワップ取引が発覚「1,300億の損失」

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2024年10月13日、韓国の証券会社『新韓投資証券』で1,300億ウォンの損失が出たことが分かりました。

同社の公示によると、上場指数ファンド(ETF)のLP(流動性供給者)が目的から外れた先物売買をして損失が発生。これをスワップ取引であるかのように虚偽登録したとのこと。

前にご紹介したことがありますが、LPというのは、Liquidity Providerの略で「流動性供給者」と訳します。

LPは、主に金融市場で特定の資産(例えばETF、株式、オプションなど)の流動性を高めるために、常に売買の注文を提示する役割を果たす「市場参加者」です。

LPは、特定の銘柄に対して常に「買い」または「売り」の両方の注文を提示し、市場の流動性を確保することで、他の投資家が取引を容易に行えるようにしています。ちなみに空売り全面禁止になっている韓国市場ですが、LPについては空売りが許されています。さすがにLPまで空売り禁止にすると流動性が著しく低下するからです。

本線に戻りますが、先物で損失を出したのを糊塗するために架空の「スワップ取引」をでっち上げたのです。これが発覚しました。

「スワップ取引」とは、金融資産や商品の交換を指すデリバティブ取引の一種です。

一般的に、金利スワップや通貨スワップが多く使われ、例えば、固定金利と変動金利の支払いを交換したり、異なる通貨の利子や元本を交換する形で行われます。

企業や金融機関が「リスクのヘッジ」や「資金調達の効率化」を目的にスワップ取引を利用することがあります。

損失を報告する代わりに、虚偽のスワップ取引を登録し、損失が明らかにならないようにしました。これにより、帳簿上ではスワップ取引のように見せかけていましたが、実際にはリスクを回避するための正当な取引ではなく、損失の隠蔽を目的とした不正行為に他なりません。

LPは、ETFや株式ワラント証券の取引で安定した価格形成をサポートする役割を持ちながら、その立場を悪用して個人的な利益追求を図って失敗。損失を隠すための虚偽の取引をでっち上げたのです。

『新韓投資証券』によると、この架空取引は08月02~10日にかけてつくられたものであることを確認した――としています。

08月01日には株式市場の暴落があった日です。つまり、暴落によって損失が巨額になり、それをきっかけに虚偽取引を登録したものと考えられます。まあひどい話ですが、虚偽取引が他にないのか、損失は本当に1,300億ウォンにとどまるのか、については調査する必要があるでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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