韓国メディアは時に非常に自虐的な記事を出すので驚かされます。
「9 vs 0」というスコアは何かというと、『韓国産業技術評価管理院』(略称「KEIT」)が「産業の根幹技術」について出した調査結果です。
↑「Korea Evaluation Institute of Industrial Techonology」(韓国産業技術評価管理院)のホームページ。
『KEIT』が「2022年根産業技術水準追加調査」というリポートを出しているのですが、これによると
14の根幹技術で最高水準を持つ国を調査してみたところ、
日本:9
アメリカ合衆国:5
となり、韓国はひとつもなかった――というのです。
このリポートは『KEIT』の有料サーベイでお金を払わないと見ることができませんが、国会議員から入手したとして各韓国メディアが自虐的に報じています。
この場合の「根幹技術」というのは、韓国の産業通商資源部が2021年に定義したもので、以下の14種を指しています。
鋳造
金型
焼成加工
溶接・接合
表面処理
熱処理
<<2021年に追加された根幹技術>>
射出・プレス
3Dプリント
精密加工
エンジニアリング設計
産業用インテリジェントソフトウェア
ロボット
センサー
産業用フィルム
計14産業根幹技術
アメリカ合衆国は、産業用インテリジェントソフトウェア、ロボット、センサーなど5つで世界最高水準、残りの9つは日本が最高であるとしています。
定義と調査結果にどこまで妥当性があるのかは不明ですが、調査結果は一応こうなっています。
根源技術の格差が開いている!という嘆き
ここからが興味深いのですが、日本から各国が何年遅れているのかを算定しており、
欧州:0.2年
韓国:1.3年
中国:1.9年
となっています。日韓の根幹技術のレベル差が「1.3年」で済むであろうか――と思わされますが、こちらも一応そうなっています(そもそもどういう計算でこうなるのかが不明です)。
自虐的な調査結果ではありますが、「韓国の根幹技術はそこまで遅れているわけではない」と主張しているようにも見えます。
面白いのは、2021年の調査結果では「日韓の差:0.7年」であったのに、今回の2022年の結果では「1.3年」と差が拡大した――と嘆いていることです。
さらに面白いのは、このサーベイを入手してメディアに公表した『国民の力』議員の言葉です。以下に『韓国経済』の記事から引いてみます。
(前略)
グ・ジャグン議員は、「根幹産業は製造業の根幹、未来の産業競争力の核心産業だが、政府の支援不足により毎年国家技術競争力で遅れをとっている」
とし「産業部がロボット・センサ・産業インテリジェントソフトウェアなど、核心根幹産業に対する予算支援と共に専門人材養成に積極的に出るべきだ」と指摘した。
根産業関連で政府予算による支援も微小で高齢化も深刻なことが分かった。
(後略)
韓国の議員や識者の皆さんは、何かというと「政府の支援が足らない」「補助金を出せ」といいます。
何もかもを政府の補助金で育成しようというその考え方が間違っているのではないでしょうか。韓国のエライ人の「根幹意識」が誤りなのです。
(吉田ハンチング@dcp)