中国「電気自転車の新規格」が国民から大不評。

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中国当局が2024年12月31日に公布し、2025年09月01日に実施とした、电动自行车(電動自転車)の新規格が、中国の皆さんから「絶不評」で「総スカン」となっています。


↑新規格準拠の電動自転車の例。

⇒参照・引用元:『国家标准全文公开系统(国家標準全文公開システム)』「規格番号:GB 17761-2024 電動自転車安全技術仕様」

国のやることなんて、どこも同じかもしれませんが、この新規格は非常に「制限」に満ちています。要点を以下にまとめてみます。

●最高设计车速(最高速度制限)
電動自転車の最高設計車速は、時速25キロメートルを超えてはならない。
車速が時速25キロメートルを超えた場合、電動機は動力を出力してはならない。

●重量制限(完成車重量)
鉛酸バッテリー車:完成車質量 ≤ 63kg
それ以外:完成車質量 ≤ 55kg

⇒過度な大型化(実質バイク化)や高エネルギー化を抑え、交通安全・取り回し・事故時リスクを下げる方向。

●防火阻燃(防火・難燃性の向上)
電気回路や電池周りに関わる非金属材料にV-0級等の要求、導線の垂直火炎蔓延の上限(≤425mm)など、部位別に燃焼性能要件を細かく指定。

●塑料占比要求(プラ比率)
「使用するプラスチックの総質量」は完成車質量の5.5%を超えてはならない。

⇒外装樹脂の比率を抑えて、燃焼・有毒ガス・延焼のリスクを下げる。

●北斗模块的安装(北斗モジュールの搭載)
位置情報を送信するためのGPSモジュールを標準搭載する。

⇒都市物流・商業レンタルなどの「经营性活动」用の車両は北斗モジュール必須。

●定位及异常状态检测
経緯度・速度・測位時刻などの収集+「測位異常の自己診断」ができること。

●动态安全监测功能(監視情報を送信できること)
電池の電圧/温度/電流、異常電圧(電池の電圧が最大出力、電圧+3V超など)、温度異常、北斗測位(GPS)情報・その異常、速度異常(最高設計速度を0.5km/h超で15秒超)など

●防篡改(不正改造の防止)
外部増設電池のためのインターフェース/配線を残さないetc.

●限速器防篡改(リミッター)
限速器(リミッター)の改ざん防止機能を持つこと。

……という具合で(詳細はオリジナルの文書をご覧ください)、当局の監視がしやすく、改造がしにくく、速度も出ない規格となっているのです。

上掲は、電動自転車のサドルの形状を示したものですが、「30度以内の角度範囲でサドルの縁(エッジ)が形成されていなければならない」となっています。

しかもサドルの長さが「≤350mm」と規定されているので、これは「二人乗りはさせない」という規格です。

宅配の仕事で電動自転車を使っている人もいるわけですが、この新規格によって確実に使いにくいものになりました。

(吉田ハンチング@dcp)

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