2021年08月27日、上掲のとおり、ドルウォンは大きくウォン高方向へ進行しました。ただし、これはひと息ついただけです。ウォン安進行の一時休止といえます。
原因は、同日行われた「アメリカ合衆国年次経済シンポジウム」(ジャクソン会議)において、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、テーパリング(資産の買い入れ縮小)について、「年内に行うのが適切と思われる」と言いながらも時期を明確には示しませんでした。
金融緩和にブレーキを踏むのを避けたわけです。「ここでブレーキを踏むだろう」と覚悟していた市場は、「むむ、金融緩和を急いでないな」と判断し、「それならもうちょっとリスクオンでいけるだろ」と動きました。
以下をご覧ください。ドルウォンチャートの1分足です。
日本時間23:00、すなわちアメリカ時間(ワシントンD.C.)、10:00寸前から下落が始まり、1時間半ほどで8ウォンもウォン高が進行しました。
S&P500は最高値を更新し、米国債の利回りは低下。ドルは下落し、ウォン高方向へ向かいました。
しかし、これはテーパリングへの明確な意思が示されなかったためであって、テーパリングが決定すればまたウォン安圧力が高まります。
明日、2021年08月30日(月)の外為市場でさらにウォン高が進行するかもしれませんが、それも『FEB』次第のこと。このモラトリアム期間でどこまでウォン高へ戻しておけるかが勝負かもしれません。
ウォン安進行を止めるためには、利上げを行うことが解決の一つになるわけですが、家計負債が巨額になっているため大きな利上げを行うのが難しい現状です。
韓国の金融機関は薄氷を踏むような思いで状況をコントロールしなければなりません。
(吉田ハンチング@dcp)