韓国・2026年3Qの実質GDP「1.0%」⇒ 好調に見えるが民間消費はマイナスに転じ、政府消費が支える構造に。

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2026年10月27日、『韓国銀行』が「2026年第3四半期の実質国内総生産(速報)」のデータを公表しました。

件名:2026年第3四半期 実質国内総生産(速報値)

◈ 実質国内総生産(GDP)は前期比1.0%成長、前年同期比3.4%成長

◈ 実質国内総所得(GDI)は前期比3.4%増加、前年同期比18.8%増加

添付:2026年第3四半期 実質国内総生産(速報値)

※実質GDP速報値は、四半期の最終月の実績資料をすべて利用できていないため、今後公表されるGDP暫定値とは異なる場合があることをお知らせします。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』「2026年第3四半期の実質国内総生産(速報)」

GDPとGDIの推移をグラフにすると以下のようになります。

これだけ見ると、第3四半期も好調に見えるのですが、支出項目別の成長率に分解すると気になる点があるのです。

項目 2026年1Q 2026年2Q 2026年3Q
民間消費 +0.6% +0.4% -0.2%
政府消費 -0.4% +0.1% +1.9%
建設投資 +1.4% -0.1% +0.7%
設備投資 +6.6% +0.2% +4.1%
知的財産生産物投資 +0.9% +3.4% +2.3%
輸出 +5.9% +1.3% +2.3%
輸入 +3.9% +0.7% +2.4%

2026年第3四半期、「民間消費」がマイナスに転落しました。3四半期ぶりのマイナスです。『韓国銀行』は、乗用車や家電製品などの財だけでなく、金融や飲食などのサービス消費も減少したと説明しています。

成長寄与度を見ると、民間消費のGDP成長率への寄与は次のように変化しています。

項目 第2四半期 第3四半期
民間消費の成長寄与度 +0.2ポイント -0.1ポイント
政府消費の成長寄与度 0.0ポイント +0.3ポイント

民間消費は第3四半期の経済成長を押し下げました。一方、政府消費は成長率を0.3ポイント押し上げています。

家計の消費がGDPを押し下げる一方、政府の消費がGDPを押し上げるという構図になっています。さらに以下。

民間部門と政府部門の成長寄与度

主体 2026年1Q 2026年2Q 2026年3Q
民間部門 +1.9 +1.1 +0.2
政府部門 -0.1 -0.5 +0.8
GDP成長率 +1.8% +0.6% +1.0%

ここが要なポイントです。

第1四半期には民間部門が成長を牽引していましたが、第3四半期には政府部門が成長の中心になっています。

政府部門の成長寄与度は、

第1四半期:-0.1ポイント
第2四半期:-0.5ポイント
第3四半期:+0.8ポイント

と変化しています。

第2四半期から第3四半期にかけて、実に1.3ポイントの改善です。

一方、民間部門は、

第1四半期:+1.9ポイント
第2四半期:+1.1ポイント
第3四半期:+0.2ポイント

と低下しています。

民間部門の成長寄与度が急低下する一方、政府部門の寄与度が急上昇したことが、今回のGDP統計の最大の特徴といえます。

2026年第3四半期のGDP成長率は前年同期比+3.4%です。その内訳を見ると以下のようになります。

項目 前年同期比の成長寄与度
民間消費 +0.5ポイント
政府消費 +0.4ポイント
建設投資 -0.1ポイント
設備投資 +0.8ポイント
知的財産生産物投資 +0.5ポイント
純輸出 +1.2ポイント

純輸出(輸出 – 輸入)が非常に強いのは、Money1でもご紹介してきたとおり、半導体輸出金額が異常に増大しているからです。一方で(韓国の内需にとって重要な)建設投資はまだマイナスと弱いままです。


結論めいた話になります。政府部門の成長寄与度が+0.8ポイントに達したことは、今後の韓国経済を分析する上で見逃せません。政府支出によって成長率を維持できたとしても、それが民間消費や民間投資の持続的な拡大につながらなければ、財政支出への依存が続く恐れがあります。

今回の統計は、韓国経済の成長率の高さを示しているように見えるのですが、その成長がどこまで民間部門の自律的な活力に支えられているのか――という問題を浮き彫りにしているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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