「FTA」とは「Free Trade Agreement」の略で日本語では「自由貿易協定」と訳されます。韓国は二国間のFTAを締結することを推進してきました。FTAを締結して関税の撤廃、貿易制限の緩和措置などを獲得して輸出を伸ばすことが目的だからです。
ちなみに韓国は、日本が推進した「TPP11」(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定:「CPTPP」/通称が「TPP11」)については、「うちは二国間FTAを推進しているので必要ない」という態度でした。
「あのブドウは酸っぱい」と言ったキツネさんみたいな態度ですね。
コロナ不況でFTAが威力を発揮している
2020年10月28日、このFTA推進は間違ってはいなかった、というリリースが韓国の関税庁から出ました。
この新型コロナウイルス騒動による不景気(韓国の場合は輸出不振)の中、「FTAを締結した国々との貿易はうまくいっている」というのがポイントです。以下です。
※貿易収支は「輸出 – 輸入」で求めます
新型コロナウイルス騒動での不景気のため、貿易額は前年同期比で落ちているのですが、FTA締結国とそうでない国とでは、落ち幅が違っているのです。
FTA発効国:5.3%減少
FTA未発行国:16.8%減少
確かに減少幅が小さくて済んでいます。
このまま新型コロナウイルス騒動が長期化するのであれば、ますますFTA締結国との貿易は韓国にとって重要ということになります。
ちなみに、FTA締結国で最大の貿易相手国は「中国」で、その規模は2020年09月末基準で、
輸出:964億1,000万ドル
輸入:780億6,700万ドル
貿易収支:183億4,300万ドル
です。
非常に大きな利益を対中国との貿易から上げているわけですが、実はそれが問題です。中国貿易の比重が大きくなりすぎて、中国がコケたら韓国もおしまいですし、中国のいうことを聞かないといけない立場に自らを追い込んでいます。
ちなみに、韓国はアメリカ合衆国ともFTAを締結していますが黒字は「97億3,600万ドル」です。つまり、利益から計算して、韓国にとって中国は合衆国のほぼ2倍の価値があるのです。
韓国政府が合衆国には強気に出て、中国には弱腰で接するのはこのようなポイントにも理由があるのでしょう。お得意様には逆らえないのです。
(吉田ハンチング@dcp)