斜陽になっているとはいえ韓国にとって造船業は非常に重要な産業です。いまだ輸出産業の一角を担い、また韓国メディアでも「世界一」という誇りをもって紹介しています。
しかし、世界的に船舶の発注数が減少傾向にあり、韓国もまたかつてのように造船業を維持するのが難しくなっています。実際「どこそこから○○を3隻受注!」なんて話が頻繁に韓国メディアで報道されますが、それでも業界が危ないことに変わりはないのです。
韓国メディア『中央日報(日本語版)』に韓国造船業の現状について端的にまとめた記事が出ました。
・受注の低迷
・船舶価格の下落
・船舶価格の下落
による二重苦に陥っていると要約しています。まさにこのとおりです。
以下に記事の一部を引用します。
(前略)
業界は2016年以来の受注低迷から脱却するため全力を上げているところだ。しかし船舶価格下落で「損する商売」にならないか懸念も深まっている。
(後略)
単価は2019年末と比較して4~5%低くなっています。4~5%でも韓国造船業にとっては大事で、受注したのはいいが上記のとおり「損するのではないか」、要は「赤字にならないか」と懸念されています。どれだけ利益率が低いんだという話ですが、韓国の場合さもありなん、なのです。
先にご紹介したことがありますが、韓国のLNG運搬船の1隻当たりの営業利益が5%で、その5%相当の金額がフランスへの特許使用料で吹き飛ぶという試算がメディアで報じられました。
つまり、韓国の造船業というのは、中国との競争上、利益が出るぎりぎりのところで受注しており、なにかあったら赤転必至という構造になっているのです。
さらに現在のウォン高が造船業に悪影響を及ぼします。韓国造船業の明日はどっちでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)