イギリスのEU離脱決定以降、EU加盟国の中でも主要国といって良い国々で政治的な動揺が続いています。12月4日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が行われますが、レンツィ首相が提案した憲法改正案は反グローバルを標榜するグループの反対で否決されることが確実視されています。
もちろん、この投票は「EUからの離脱」を問うものではありませんが、反グローバル化の勢いはイタリアでも強くなっているのです。この政治状況がイタリア経済に与える影響もまた大きなものであると予測されています。
イタリアの経済状況は良好であるとはいえません。国の破綻可能性について考えるときに参考になる国債の「CDS スプレッド」は、「イタリア国債10年もの」で「193bp」とかなり高い数字となっているのです。
ドイツ銀行(Deutsche Bank)のサイトには『Sovereign default probabilities online』(ソブリン・デフォルト・プロバビリティ・オンライン)という、各国のソブリンリスクを調査したデータがあります。これによれば2016年11月29日現在で「176bp」とこちらも高水準。イタリア国民の選択が市場にどのように反映されるかが注目されるところです。
(清水ワンチャイ@dcp)