韓国メディアには妙に自虐的な記事を出す不思議な特徴がありますが、コレもその例に当たるかもしれません。
世界最大級の自動車メーカー、ドイツ『フォルクスワーゲン』が脱韓国だ!と絶望しているのです。
「ユニファイドセル・テクノロジー」というコンセプト
ことの起こりは、2021年03月15日、『フォルクスワーゲン』が公開した同社のロードマップです。
上掲が『フォルクスワーゲン』のプレスリリースですが、2030年までのバッテリー・充電関連技術についてのロードマップについて書いています。
韓国メディアがショックを受けているポイントは、「ユニファイドセル(Unified Cell)テクノロジー」のバッテリーを搭載した電気自動車を2030年までに80%とする、という点です。
「ユニファイドセル・テクノロジー」というのは、バッテリーセルのパッケージは統合して同一のものとし、中身のケミカル材料を変更していこうというコンセプト。つまり電池のガワは統一しておいて、かけていいコストや技術の進歩によって中身を変え、出力や充電時間などを進歩させようというものです。
そんなにうまくいくのだろうかという気がしないでもないですが、「Unified Cell」は「統合セル」と訳せますので、いわば電池のガワの統一を指しているわけです。
『フォルクスワーゲン』自身はこれによって(バッテリー関連コストの)「最大50%を削減できる」としています。
より安価な材料の使用:20%
製造プロセス:10%
バッテリーシステムの「コンセプト」自体:5%
で計50%の削減を達成するとのこと。
ボリュームモデル:高マンガン
というふうに中身の化学物質を変えるという話です。「全個体電池」にも注目しているそうです。
『フォルクスワーゲン』への納入がなくなる!
で、韓国のバッテリー企業が絶望しているというのは、この発表が、
ものである、というのが一つ。
つまり、『フォルクスワーゲン』の80%の自動車は韓国製バッテリーを必要としなくなる、ということです(同グループに属する『ポルシェ』など特殊なブランドについては残り20%に含まれるとのこと)。
もう一つは、このユニファイドセルというのが「プリズム型」(角形)と呼ばれるパッケージになっており、韓国企業『LGエネルギーソリューション』『SKイノベーション』の製造しているポーチ型と呼ばれるバッテリーセルとは異なるということです。そのため、このプロジェクトが進行している以上、韓国の2社は『フォルクスワーゲン』への納入が断たれるというわけです。
そもそもバッテリーの自給を目指すのが『フォルクスワーゲン』の戦略なわけで、その意味では韓国企業が世界最大級の自動車メーカーの発注を失うのは確かです。
(吉田ハンチング@dcp)