中国の漁船200隻以上が南シナ海、フィリピンの主張する領海を侵犯した件で、フィリピンもさすがに怒りを見せ、戦闘機を飛ばすという事態となっています。
舞台は以下の南沙諸島です。
ピンが立っている「Niu’e Reef」近くで中国漁船が大量に押し寄せたのです。
南沙諸島は読者の皆さんもご存じのとおり、フィリピン・ベトナムなど複数の国が領有権を主張しています。中国も勝手な9段線なるものを引いて、完全に国際法違反な領有権を強弁。
今回のフィリピン軍の戦闘機派遣に反発しており、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』は「南シナ海の中国の漁船を巡るフィリピンの戦闘機のフライバイ『危険』と専門家」という記事をいけしゃあしゃあと出しているのです。
以下に記事の一部を引用します。
ロイター通信によると、フィリピンのデルフィン・ロレンザナ国防長官(Delfin Lorenzana)は土曜日の声明の中で、フィリピン軍は毎日軽戦闘機を派遣し、南シナ海にいる数百隻の中国船の上空を飛行して状況を監視していると述べた。
ロレンザナ長官はまた、フィリピン軍は南シナ海での海軍のプレゼンスを強化し、「主権のパトロール」と「フィリピンの漁師の保護」を行うと述べた。
ロレンザナ長官の発言は、最近、南シナ海のNiu’e Reef付近で200隻以上の船が目撃され、フィリピンがそれらを中国の海上民兵と認定したことを受けてのものである。
(後略)
フィリピンは、中国側は漁船のように偽装しているが、その正体は「民兵」と認定しているのです。
同記事では「不測の事故が起こるかもしれない」と警告、脅しを行っています。
韓国の軽戦闘機が中国の御用新聞にディスられる!
面白いことに、この事案が韓国に関係しています。実は、フィリピンが「主権のパトロール」に使用しているのは、韓国が輸出した「FA-50」なのです。
↑韓国産の軽戦闘機『FA-50』。PHOTO(C)『KAI』
韓国メディアでは、輸出した『FA-50』が活躍していると報じています。例えば、『中央日報』の2021年03月29日の記事では以下のように紹介しています。
(前略)
フィリピンは、2014年に『FA-50PH』12機を約4億2,000万ドル(約4,755億ウォン)で契約しており、2017年までに順次導入された。フィリピンの空軍は『FA-50PH』を導入するまでしっかりとした戦闘機が1機もなかった。
(後略)
フィリピンを強くディスった記述がありますが、『FA-50』がしっかりした戦闘機かどうか……。中国共産党の御用新聞『Global Times』では以下のように書いています。
(前略)
空中戦と地上攻撃の両方で一定の能力を持つ『FA-50』は、第3世代の軽戦闘機と考えることができると同専門家は述べた。戦闘機の中でも最も軽い部類に入り、限定的な可視域外の攻撃能力と総合的な戦闘能力を持つと指摘した。
しかし、その空中戦能力は、中国とパキスタンが共同開発した軽戦闘機JF-17の初期型よりも劣っていると専門家は言う。
(後略)⇒参照・引用元:同上
韓国としては、意外なところで事故にまきこまれたという感じでしょうか。
韓国『FA-50』についての正しい評価については、筆者などよりはるかに知識豊富な方がいらっしゃると思いますのでお任せ申し上げます。
(吉田ハンチング@dcp)