韓国メディアによれば、「全国民雇用保険」は文在寅政権の雇用政策の核心公約だったそうです。
しかし、先にご紹介したとおり、韓国の「雇用保険基金」はすでに事実上枯渇しております。被保険者が支払う保険料だけでは被保険者への給付が行えない、積立金が底をついたので破綻です。
2020年
雇用保険基金の赤字額:7兆9,389億ウォン
雇用保険基金の赤字額:7兆9,389億ウォン
また、赤字なだけではなく他の公的基金から借金をしています。
「広く」から「高く取る」しかない!
お金がなくても被保険者に対して失業給付などを行わないといけないため、「雇用付加公的資金管理基金」から「4兆6,997億ウォン」を借りているのです。2021年度も「3兆2、000億ウォン」借りる予定です。
もうすでに破綻しているのですが、韓国政府は雇用保険の被保険者を労働時間の短い労働者、芸術家などにも拡大し、保険料を納付するパイを拡大しています。その上で、保険料率を上げる構えです。もう広く・高く取るしかないのです。
政府は「今は上げるのは難しい」などと述べていますが、これは国民の反発を食うので言いたくないだけです。セーフティーネットである雇用保険を(曲がりなりにも)維持するためにはこの方法しかないのです。
マズイことに、韓国はこれから人口が自然減少していきます。韓国は日本よりはるかに速く老いていく国。保険料を負担する被保険者が減っていくことを意味します。
もう事実上は破綻しておりますが、果たして韓国の雇用保険基金は存在し続けることができるのでしょうか。この先のドタバタにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)