韓国『現代自動車』は、2021年になって北米・欧州市場では良いセールスを記録しているのですが、世界最大のマーケットである中国市場では冴えません。
そもそも『現代自動車』の中国市場での販売台数はどんどん低下しています。
最盛期(2017年)には「179.2万台」(グループ企業の『起亜自動車』含む)も販売していたのですが、2020年には「66.5万台」にまで縮小しました。
2020年は2017年の37.1%になっています。62.9%もの販売台数を失ったのです。
これに伴い、2020年の中国自動車市場におけるシェアは「3.5%」にまで縮小しました。『現代自動車』は2020年に同市場においてざっくり2兆ウォン(約1,980億円)の赤字を出しています。
ちなみに、『現代自動車』は中国に乗用車工場を5、商業車工場を1保有しています。また、『起亜自動車』も3つの乗用車工場を持っているのです。
生産能力は270万台といわれていますので、販売台数が66.5万台では困るのは明らかです。
高級自動車と中国自動車企業のサンドイッチ
『現代自動車』は、『サムスン電子』のスマホと全く同じサンドイッチ状態に陥っています。
つまり、高級自動車ではBMW、メルセデスベンツ、レクサスなどには勝てず、低価格帯では中国自動車企業には勝てないのです。
『サムスン電子』のスマホが『Apple(アップル)』と中国『小米(シャオミ)』など中国とのサンドイッチでシェアを急激に失ったのと同じです。
そのため、『現代自動車』はグループ企業『起亜自動車』と一緒に「ライジング・アゲイン・フォー・チャイナ(Rising Again For China)」というプランを掲げて再度中国自動車市場を攻略しようとしています。
このプランでは、高級ブランド『ジェネシス』で勝負をかけるとしているのですが、中国のユーザーが高級品と認識してくれるかどうかは未知数です。また、電気自動車に期待をよせていますが、このジャンルはそれこそライバルが掃いて捨てるほどいます。中国自動車メーアーもここに賭けているのです。
というわけで、『現代自動車』の中国市場における苦戦は続きそうです。筆者はもう少し時間がかかるかもしれませんが、スマホと同じく韓国自動車メーカーの中国市場におけるシェアは1%を割るのではないか、と考えています。
当たるも八卦、当たらぬも八卦ではありますが。
(吉田ハンチング@dcp)