韓国は公務員大国になってこの先どうするんだろう、という話です。
韓国はサラリーマンより公務員を養う国になった
韓国の文在寅政権は、政府が雇用を拡大すると宣言して公務員を増やしました。
この時点で識者からは「いかがなものか」と苦言を呈されていたのですが、公共機関が率先して雇用を増やすべしとして、鶴のひと声で仁川空港の非正規雇用を正規雇用に転換するなども行い、大問題になりました。
文在寅政権は間もなく終わりますが、このツケは韓国民が将来に渡って支払うことになります。公務員の給与は国民の税金から支払われるからです。
韓国メディア『中央日報』にこの点を突いた非常に興味深い記事が出ました。
同記事は、ソン・オンソク議員が、企画財政部・行政安全部・金融監督院の電子公示(DART)、韓国の上場企業協議会の資料を分析した結果を紹介したものです。
それによると、
2020年
公共部門の総人件費:89兆5,000億ウォン
(約8兆5,025億円)
(公務員在職者、公共機関の従業員)民間企業500社の総人件費:85兆9,000億ウォン
(約8兆1,605億円)
(KOSPI・KOSDAQ上場の売上高上位500社/5つの公企業除く)⇒参照・引用元:『中央日報』「人件費90兆vs86兆…韓国は公務員の国になった」
と公機関の人件費の方が多くなったのです。つまり、韓国は政府が支払う給与の方が多い――サラリーマンより公務員を多く養う国になったというわけです。
文在寅政権で人件費負担は激増した!
文政権前の2016年を比較してみると以下のようになります。
公共部門の総人件費:71兆4,000億ウォン
(約6兆6,645億円)民間企業500社の総人件費:75兆3,000億ウォン
(約7兆1,535億円)※データ引用元は同上
文政権前には民間企業の方が高かったのです。文政権下での増加金額・増加率を比較してみると……。
2017~2020年
公共部門の人件費増加金額:18兆1,000億ウォン
(増加率:25.4%)民間企業500社の総人件費増加金額:10兆6,000億ウォン
(増加率:14.1%)※データ引用元は同上
増加金額、増加率は民間企業に比べて異常です。
これは文大統領の公約「公共部門で雇用84万個を作る」に基づいて公務員を激増させたのが原因です。
幸いなことに実現されませんでしたが、公共部門の人員増加はこれまた異常な数字になっています。
2017~2020年
公共部門の人員増加数:22万605人民間企業500社の人員増加数:3万4,886人
※データ引用元は同上
上掲のとおり、公共部門の人員増加数は民間企業の6.3倍にもなります。
公務員年金の問題もある!将来に禍根を残した
これだけ公共機関で人件費が増えていますが、お給料の支払い問題だけでは済まないのです。韓国では社会保障基金の破綻危機が大きな問題となっていますが、「公務員年金はどうするんだ?」という巨大すぎる問いに対する回答はありません。
『公務員年金公団』のデータによれば、2020年末時点で公務員在職者は「122万1,322人」。
文政権下で「11万3,350人」増加しました。この人たちに対する年金支払いが韓国民の肩にドンと載ったのです。
本当にどうするつもりなのでしょうか?
※韓国メディア『中央日報(日本語版)』にも翻訳記事が出ていますので、もうお読みになった方が多いかもしれませんが、実は韓国語版のオリジナルの方は日本語版より長い記事で図表も入っています。
ですので、もし本件にご興味がある場合には、ぜひオリジナルの方にアクセスして読んでみてください。オリジナルの方が面白いでしょう(元記事URLは上掲)。
(吉田ハンチング@dcp)