劇的展開で一気に争奪戦の様相か?という話です。
破綻して法定管理下に入った韓国『双竜自動車』ですが、2021年07月30日は買収意向書の提出期限でした。
『双竜自動車』側は秘密保持契約があるため買収意向書を提出した企業を公開できないとしていますが、韓国メディアではさまざまに報じられています。
『ChosunBiz』の報道では、
国内外のspan class=”bold”>9つの企業が意向書を提出した
となっています。
これまで名前が挙がっていなかった意外な大物企業グループが買収の意向を示したとされ、韓国内を驚かせています。『SMグループ』です。
「準財閥」の大物企業が乗り出した
日本ではあまり知られていませんが、『SMグループ』は1988年に建設会社として出発し、1997年のアジア通貨危機の際に売りに出ていた企業を次々に買収して急成長しました。2019年段階には財界35位の規模にまで達しました。「準財閥」といっていいクラスの企業です。
実は『SMグループ』は、『双竜自動車』が先に法定管理下にあった2010年にも同社に興味を示していました。本当に『SMグループ』が買収意向書を提出したのであれば、10年前に釣り逃した魚を今度こそ捕ってやろうという心積もりなのかもしれません。
焦点は資金力!最低でも「1兆ウォン」は要ると予測
仮に9社が買収の意向を示していたとしても、本当に買収できるかどうかです。要はお金があるかどうかが問われます。
何度かご紹介しているとおり、『双竜自動車』は従業員の給料未払いや税金の滞納などを起こしています。
『双竜自動車』を買収した企業は、まずこの公的債務を清算しなければなりません。これが約7,000億ウォン(約665億円)あると推算されています。『双竜自動車』本体がたとえ3,500億ウォン(約333億円)程度だとしても、合わせて1兆ウォン(約950億円)を超えます。
また、事業を継続する以上は、日々出ていくお金も必要です。従って、買収資金だけでいっぱいいっぱいという企業の場合、再生するまでたどりつけるかどうか分かりません。
本当に9社が買収意向書を提出したのであれば、一応「争奪戦」的に盛り上がりますが、最後は資金量が落ち着き先を決めるでしょう。
『双竜自動車』の明日にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)