↑『NCソフト Japan』の公式サイト「Brade and Soul」/スクリーンショット
ゲームにあまり興味のない方は韓国『NCソフト』の名をご存じないかもしれません。同社はMMORPG(Massively Multiplayer Online Roll Playing Game:マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム)開発・運営で有名な会社です。
『リネージュ』は1998年にサービスインしたMMORPGの草分け的作品で、韓国では爆発的にヒットしました。その『NCソフト』の株価が、新作ゲームのすったもんだのせいで暴落しました。
まず以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
↑『NCソフト』の株価。2021年08月30日15:30現在
2021年08月25日の終値「83万7,000ウォン」(約7万8,678円)から、08月30日「64万9,000ウォン」(約6万1,006円)まで、わずかローソク足4本で「18万8,000ウォン」(約1万7,672円)も下落しています。
22.4%の下落ですので大暴落といえます。
『NCソフト』に何があったのか?
なぜこんなことになってのかというと、2021年08月26日にサービスインした『ブレイド&ソウル2』の不振です。24日からプレダウンロードが開始され、事前登録者は746万に達しました。
上々の滑り出しかと思われたのですが、26日にオープンするや否やユーザーからの批判が噴出したのです。開発者が事前に述べた内容とリリースされたものが全く違うとし、「『サイバーパンク2077』※クラスの詐欺マーケティングだ」といった意見までネット上に出ました(とんんだとばっちりです)。
ゲームシステム自体にも批判が集まりました。ポイントとしては、課金しないことには事実上ゲームを進行できないものになっていたことです。これは難しいところですが、アイテム課金のゲームでは、それがゲームの収益を左右しますが、これを強要するとユーザーに嫌われるのです。今回は強要どころか、事実上お金を払うこと前提で、無料のユーザーを事実上放逐したわけですから、大変に不満が高まりました。
ゲーマーからの不満に慌てた『NCソフト』は、08月27日、ゲームシステムの改編を行う旨のプレスリリースを出し、同リリース内で謝罪も行いました。
しかし、ネットでの不満の表明は続いています。
Googleストアではサービスイン直後には「1点」などの低レートばかりだったのですが、わずか1日で「5点」評価が数千個投稿されるなどして、『ブレイド&ソウル2』の評価は持ち直しています。が、これは『NCソフト』側が低評価を打ち消そうと画策した結果ではないのかという疑念も提起されています。これについてはあくまで疑念で、真実は分かりません。
ただ、株価が大暴落し、時価総額が「4兆1,274億ウォン」(約4,086億円)蒸発したのは紛れもない事実です。
※『サイバーパンク2077』は発売直後からバグが多発し、2020年12月18日には『PlayStation Store』での販売が停止。購入者に返金するなどの騒ぎになりました。念のために書きますが次第にバグも潰され、『サイバーパンク2077』の評価は上がっています。
(吉田ハンチング@dcp)