韓国メディアでは特に大きくは扱われませんでしたが、韓国銀行はFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結した「スワップライン」(ドル流動性スワップ)※(これを韓国では「通貨スワップ」時に「通貨スワップ協定」と呼んでいます)を利用して、第5次の「ドル」の供給を行いました。
2020年04月27日に韓国銀行が行った「上限40億ドル」のオークションに対して、応札は「85日もの(85日後に利子を付けて返済します)」12億6,400万ドルのみで、今回も札割れの結果となっています。
Money1では、都度ご紹介していますが、ドル流動性スワップの利用状況はFEDが毎週末公開しており、返済を滞納でもしようものなら全世界的に恥をかくことになります。
2020年05月01日(金)、FEDから公開されたデータで韓国銀行の利用状況を確認してみましょう。
まずは「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)です。
確かに、第5次オークションの「12億6,400万ドル」が確認できます。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
04月30日時点で、韓国銀行がドル流動性スワップを利用し、FEDに未返却の金額は「174億5,800万ドル」となっています。先週の段階で、「08日もの」など満期までの期間が短いものは全て返却されていますので、第1~5次までのオークションで利用された「83日もの」「84日もの」「85日もの」の合計金額が残っているのです。
韓国銀行がFEDと結んだドル流動性スワップの上限金額は「600億ドル」。まだ利用はできますが、それにしても毎週ドル建て借金を続けています。
先にご紹介したことがありますが、さる03月19日にFEDが新たにスワップラインを締結した9カ国の中央銀行の中で、韓国銀行はぶっちぎりで最高金額を借りています。
改めて04月30日時点での9つの中央銀行の未返済金額を比べてみると、以下のようになります。
中央銀行 | 未返済金額(04/30時点) |
オーストラリア準備銀行 | 11億5,000万ドル |
ブラジル中央銀行 | 0 |
デンマーク国立銀行 | 52億9,000万ドル |
韓国銀行 | 174億5,800万ドル |
メキシコ銀行 | 65億9,000万ドル |
ニュージーランド準備銀行 | 0 |
ノルウェー銀行 | 54億ドル |
シンガポール金融管理局 | 85億4,300万ドル |
スウェーデン国立銀行 | 0 |
そろそろ本当に返済時の心配をした方が良いのではないでしょうか。
※韓国メディアは「通貨スワップ」あるいは「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)