韓国の企画財政部から「月刊金融動向と課題」の09月号が出ましたので、韓国政府の財政収支のデータを見てみます。
2021年07月
政府収入:58.3兆ウォン
政府支出:31.8兆ウォン
統合財政収支(収入 – 支出):26.5兆ウォン
管理財政収支:22.8兆ウォン
(管理財政収支は社会保障基金の収支も足したもの)2021年07月までの累積
政府収入:356.9兆ウォン
政府支出:377.6兆ウォン
統合財政収支(収入 – 支出):-20.7兆ウォン
管理財政収支:-56.9兆ウォン
(管理財政収支は社会保障基金の収支も足したもの)
07月は税収が増えたおかげで単月では黒字になりました。しかし、累積では「-56.9兆ウォン」で赤字です。
ここまでの「統合財政収支」と「管理財政収支」の累積の推移をグラフにすると以下のようになります。
ちなみに、「政府の財政収支」、その健全性を見る場合は、社会保障基金の収支も入れた「管理財政収支」の方を使います。
※データ引用元は同上
上掲は累計の推移です。07月は収支(収入 – 支出)が黒字だったので、累積赤字が減りました。
ご注目いただきたいのは、2018年です。財政収支は黒字でうまく回っています。しかし、2019年は財政収支は赤字に転じています。コロナ前であることにご注意ください。
文政権は、コロナ前の2019年からすでに財政収支は赤転で、コロナの2020年にはそれがひどくなり、2021年もそれは続いているのです。
文政権は前政権から受け継いだ財政収支の黒字基調を1年で赤転させたのです。この点においても文政権は歴史に残る仕事をした、といえるでしょう。もちろん嫌味です。
また、税収が増えた分は第5次災害支援金でまくことになっています(09月から支給開始)。ですので、2カ月後の財政収支がどうなるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)