こういうのも「韓国は中国に低姿勢」といえるでしょう。
「韓国政府は中国には物申せない」という論陣を張って政府から異例の批判を受けた韓国メディア『朝鮮日報』が、これに類する記事を出しています。
韓国は中国から飛来するPM2.5による大気汚染に苦しめられています。黄砂が飛んでくるわけですから、日本も他人事ではないのですが、韓国の皆さんは「中国に文句を言えよ」と憤っています。
世論の大きさに突き上げられた韓国政府は「中韓環境協力共同委員会」を設けました。
2019年03月には、「中国から来る微細粉塵の影響を最小化するため、中国政府と協議して緊急対策を設けよ」と指示し、環境部部長が「中韓協議体を次官級に格上げして積極的に対処する」としていたのですが……。
「中韓の環境協力共同委員会」は2019年01月以降、一度も開催されていないことが判明したのです。
いい加減な話ですが、同紙の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
外交部次官出身のチョ・テヨン議員は「3年前、文在寅大統領が微細粉塵問題に対して積極的に対応すると言った後、中国ときちんとした会議を一度もしなかったという事実は、外交失敗を越えて国民に対する裏切りだ」とし「文在寅政府が去る5年大衆低姿勢外交で得た成果物は、西海不法操業増加、限韓令の日常化、中国発微細粉塵そして中国の傲慢と内政干渉論議だけだ」とした。
韓国が文政権下で中国から得たものは、
・限韓令の一般化
・中国発の微細粉塵による被害
・中国の傲慢と内政干渉論議
と挙げて、政府を非難しています。
同紙記事では、韓国外交部関係者の言葉として「現在、中国側と日程を調整中」と伝えています。
これは明らかに言い訳でしょう。
「中国の傲慢と内政干渉論議」と挙げていることからも、『朝鮮日報』は「中国に対しては低姿勢」の論を補強する意味もあって、同記事を上げたものと思われます。
『朝鮮日報』の意図はともかく、確かに「中国には物申せない」の例に数えてもよさそうではあります。
以前、PM2.5の専門家に取材したことがありますが、中国のPM2.5問題は、中国政府の努力もあってましになってきています。それよりも汚染がひどいのはインドの都市部だそうです。
また、韓国の皆さんには申し訳ないのですが、決して中国ばかりを批判できるほど韓国の大気がきれいなわけではありません。
(吉田ハンチング@dcp)