これまでは低金利で発行できてお金も借りやすかったのですが、これからはそうはいきません。
他ならぬ、韓国政府が発行する国債の金利の件です。これから発行する国債は政府にとって金利負担が大きくなるのです。忘れてはいけないのは、既発行の国債をロールオーバーしたとしても金利上昇の影響を受けて金利負担が増加する点です。
「01月、2月合計で30兆ウォンの国債発行」気になる金利は……
2022年01月27日、韓国の企画財政部は「2022年02月国庫債発行計画および01月発行実績」というプレスリリースを出しました。
02月に国債(国庫債券)を発行して14兆5,000億ウォン調達しようとしています。
ちなみに01月は「15兆4,310億ウォン」分の発行となる予定です。02月の発行量が約1兆ウォンほど少ないのは、利回りが上昇している(つまり韓国債が忌避・売却されている)市場動向を考慮したため、と見られます。
01月の国債の発行金利を確認してみましょう。
発行枚数の最も多い3年物の金利が「2.070%」となっています。
半年前、2021年07月(『韓国銀行』が基準金利を上げたのが08月)に報告された2021年06月の発行実績を見てみると以下のようになります。
2021年07月に発行された国債3年物の金利は「1.325%」でした。
国債の金利は「1.6倍」に増加した
2021年07月発行分と2022年01月発行分の金利を比較すると以下のようになります。
2021年07月発行 | 2022年01月発行 | |
2年物 | 1.090% | 1.885% |
3年物 | 1.325% | 2.070% |
5年物 | 1.675% | 2.355% |
10年物 | 2.095% | 2.555% |
20年物 | 2.140% | 2.570% |
30年物 | 2.290% | 2.340% |
50年物 | 2.165% | 2.250% |
半年の間を置いて、国債の発行金利は上掲のように上昇しました。
最も発行枚数の多い3年物は「1.325%」から「2.070%」に「74.5bp」(bpはベーシスポイントで0.01%)上昇しました。
74.5bpというと小さく感じるもしれませんが、「金利は1.56倍に増えた」という言い方ならどう思われるでしょうか?
「100兆ウォン」まくなどと言いますが……
次期大統領候補は「100兆ウォンをまく」といった公約を掲げていますが、財源はあるわけないので赤字国債の発行に頼ることになるでしょう。この先、国債の金利負担が今までのようにはいかない、ということを覚悟して行うべきです。
(吉田ハンチング@dcp)