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韓国「DRAMの価格」急落で『サムスン電子』の業績懸念。すでに株価は下落

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韓国は輸出によって成立している国です。韓国では主力の輸出品目について、10大、あるいは15大といって誇りますが、徐々にそれは半導体頼みになってきています。

直近のデータによれば、金額ベースで半導体への依存度は「18~19%」にまで上がっています(2020年08月時点では「14%」)。

しかも、半導体とひと口にいっても韓国の主力は「メモリー半導体」で、これは価格が非常に変動する商品です。

世界的な半導体価格(需給バランス)の動向によって、韓国の半導体企業の業績は変動します。ここにきてメモリー半導体であるDRAMの価格が下落傾向にあります。

実際、DRAMの価格は急落しました。

IT関連の市場調査会社『TrendForce(トレンドフォース)』によると、10月PC用のDRAM(DDR4 8GB)の取り引きか価格は9.51%も下落しています。

これは供給過多が原因です。

メモリー需要が高まって生産を拡大した結果、供給過多になったのです。DRAM価格の下落は、韓国『サムスン電子』『SKハイニックス』の業績に下方圧力として働きます。

同『トレンドフォース』が公表したリポートによれば、「2022年はDRAMの総供給量は2021年比で18.6%増加すると予測されるが、世界のDRAM市場は依然として不足状況から供給過剰に移行する」となっています。

また、「DRAMの価格の回復は2022年下半期に回復する可能性が高い」としています。つまり、そこまではDRAM価格は低迷を続けるのではないか、というわけです。

⇒参照・引用元:『TrendForce』公式サイト「Annual DRAM Revenue for 2022 Expected to Reach US$91.5 Billion, with Prices Likely to Rally in 2H22」

『サムスン電子』の利益の2/3は半導体が稼ぐ

『サムスン電子』の2021年第3四半期の業績は大きく膨らみました。


↑GoogleChromeの自動翻訳なので一部日本語がおかしいですがご寛恕ください

2021年第3四半期
総売上:73兆9,792億ウォン(約7兆1,760億円)
(対前年同期比:10.5%増加)

営業利益:15兆8,175億ウォン(約1兆5,343億円)
(対前年同期比:28%増加)

当期純利益:12兆2,933億ウォン(約1兆1,925億円)
(対前年同期比:31.3%増加)

⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト

この大幅な利益増を牽引したのは半導体事業です。サーバー用のDRAMの出荷が伸びて、半導体事業だけで10兆1,000億ウォンの利益を出しています。つまり、約2/3を半導体事業で稼いでいるわけです。

言い換えれば、半導体価格の下落は『サムスン電子』の利益の約2/3に影響を与えます。そのため、この先は(為替レートの変動があるとはいえ)『サムスン電子』の業績は下がるのではないかと予測されます。

『サムスン電子』の株価は下がった

実際、第3四半期の業績を発表し、それが大変に良かったにもかかわらず、『サムスン電子』の株価は下落しました。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。

上掲のとおり、『サムスン電子』の株価は業績を公表した10月28日の翌日に下落し、7万ウォンを再び割って終了しました。国民株といわれる銘柄にしては低迷を続けています。

株式市場は全ての情報を飲み込んで先行して動きます。DRAMの価格が下落しており、2022年下半期まで回復しないだろうという予測もすでにキャッチして動いているものと見られます。

また、株式価格が調整局面に入っていると見ることもできるため、あまり『サムスン電子』だから上がるだろうという資金の投入の仕方は短期的には無理があるともいえます。

ともあれ、韓国の半導体企業の業績の先行きは注視しなければならないでしょう。ここが傾くと韓国は大変に困ったことになるのですから。

(吉田ハンチング@dcp)

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