韓国「このままでは信用格付けが落ちる」と恐怖。外貨準備から預金が減る理屈

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韓国外貨準備高3カ月連続で減ったのがよほど堪えたようで、韓国メディアにやたら危機感を煽る記事が出るようになりました。

⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト

上掲は先の記事でも貼った、2021年01月から公表された2022年01月までの外貨準備の推移ですが、4,615億ドルもあって何が危ないのかが分かりません。「本当はない」――というのであれば別ですが。

韓国は貿易収支が赤字になって、経常収支が赤転し、資金流出となり……というサイクルを作り始めると確かに危ないのですが、まだ国際収支統計で貿易収支が赤字で締まったわけではなし、「少し落ち着け」という話です。

もちろん、危なくなってきたのではないか――という気配は漂っています。

ちなみに通関ベースで赤字になった貿易収支が、国際収支統計でどう締まったのか分かるのは、2022年02月10日の予定です。この日の『韓国銀行』の公表で、2021年12月の国際収支統計が分かります。

通常月ならとっくに発表されていていいのですが、旧正月の連休の影響で集計作業が遅れているのか、02月は公表まで時間がかかっております。楽しみにお待ちください。筆者は、先に述べたとおり、通関ベース「貿易収支:-4億5,200万ドル」は国際収支統計では黒転すると考えています(ハズれたらすみません)。

『韓国銀行』から外貨預金が引き出されるわけは

それはともかく、先にご紹介したとおり、『韓国銀行』は2022年01月時点での外貨準備高を公表した際に、なぜ減ったのかについて「その他の通貨の外貨資産のドル換算額、および金融機関の外貨預金の減少などによる」と説明しました。

Money1では何度もご紹介しているとおり、『韓国銀行』が時価での評価をきちんと行っているとは思えませんので、説明の前段は無視します。「金融機関の外貨預金の減少」がなぜ起こったのか――です。

これについて韓国メディア『毎日経済』が興味深い説明を行っています。記事から以下に該当部分を引用しますと……。

(前略)韓国企業が海外に支払わなければならないドル額が増え、企業のドル需要が増えると、これに対応しようとする銀行が『韓国銀行』に預けた外貨預金を引き出す。
(後略)

⇒参照・引用元:『毎日経済』「外国為替保有額が減るのに追加予算強行…『このままいけば大韓民国の信頼墜落』」

この説明の前段階として、貿易収支を赤字に転落させた資源価格の急騰があります。

資源急騰のため、韓国企業はこれまでより多くの外貨(主にドル)を輸入に支払わざるを得なくなり、ドル需要が急増。銀行はこれに対応するため、『韓国銀行』に預けてあったドルを引き出す ⇒ 外貨準備が減る、というロジックです。

一つのメカニズムの説明です。

ドル預金が減るのも一つですが、ご注目いただきたいのは「貿易赤字が継続されたら外貨準備高は減り続けるのではないのか?」という懸念です。実はこれこそが危ないサイクルの始まりで、これが回り出すと本当に危険です。

話が長くなりますので、この説明は端折らせていただいて、『毎日経済』の記事が懸念するもう一つの方へいきます。韓国の信用格付けの低下懸念です。

信用格付けが下がるかも……と恐怖する

同記事から以下に引用します。

14兆ウォンの追加予算案を断行すれば、今年国内総生産(GDP)対比の国家債務比率は50.1%で歴代最高を記録する見通しだ。

追加予算の規模が増えれば、国の借金はさらに増えるしかない。

企画財政部の上級関係者は、「省庁別に年初事業が始まったばかりだから、現実的に歳出構造調整は難しい」とし「秋経財源相当額は国債発行で充当されるしかないだろう」と話した。

国際的信用評価社は転げ落ちる雪玉のように膨れあがる韓国のバラマキ傾向に警告を発した。

『Fitch(フィッチ)』は先月27日、韓国国家信用等級をAA-に維持しながらも「韓国の債務比率の見通しが継続的に上昇している」とし「これは中期的観点から信用等級圧迫要因として作用できる」と指摘した。

来る04~05月、『Moody’s(ムーディーズ)』や『S&P(スタンダード&プアーズ)』など他の信用格付け会社も韓国の信用等級を発表すると予想される中、外国為替保有額(外貨準備高:筆者注)と財政健全性に打撃を与え続けると、外国資本流出など副作用が大きくなるという懸念が出ている。

⇒参照・引用元:『毎日経済』「外国為替保有額が減るのに追加予算強行…『このままいけば大韓民国の信頼墜落』」

「『フィッチ』め日和ったのか」という件は先にご紹介しましたが、これから『ムーディーズ』と『S&P』の格付け決定がきます。いつものとおりネゴネゴしてなんとかなるのか、それとも今度こそ下がるのかは、まだ分かりません。

しかし、下がると韓国にとっては大きな痛手になります。利上げに向かっている中、信用格付けが下がると、国債、企業が発行する社債などの利率をさらに上げなくてはならなくなります。つまり、資金の調達コストが上がるわけです。利払いも増えますし、全くいいことがありません。

ただ、韓国政府、韓国経済の実情がこうなっているのは、まあ端的にいって文在寅政権のせいです。今言ってももう遅いですけれども。

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(柏ケミカル@dcp)

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