韓国洪長官が『ムーディーズ』と一騎打ち! とにかく説得して奮戦

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韓国政府が信用格付け会社『Moody’s(ムーディーズ)』との協議に当たっていますが、2022年02月25日、ついに洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官自身が『ムーディーズ』とのインタビューに臨みました。

相手は『ムーディーズ』国家信用等級グローバル総括Anne Van Praagh(アン・ヴァン・プラーク)さんで、いわば大将同士の一騎打ちです。

以下が企画財政部が出したプレスリリースです(面倒くさい方は以下の引用部分は斜め読みで大丈夫です)。

(前略)
○今回の面談は、『ムーディーズ』の格付け評価公表を控え、21日から進行中の年次協議*の一環として行われた。副首相と国際格付け会社間の今年初めての面談だ。

(中略)

☐まず、洪副首相は韓国のパンデミックへの対応の成果、最近の動向・展望を説明した。

○(成果)昨年の韓国経済の4%成長には、民間消費と輸出、投資、財政の両方が均等に貢献*したことを強調しながら、

* ’21年部門別成長寄与度(%p):民間消費1.7、設備投資0.7、純輸出0.8、政府部門0.7

-その結果、’21年1人当たりGNIは3年ぶりに増加に転換し、3.5万ドル水準を達成する見込みで、雇用市場も’21年就業者数が37万人増加するなどパンデミック以前の水準を完全に回復したものと見られると説明した。

ㅇ(動向・展望) 政府は今年3.1%の成長率を提示したと紹介し、コロナ19展開様相、地政学的リスクなど一部不確実性は継続するが、3%台の成長率は達成が可能となる見通しだと説明した。

-特に、最近オミクロン拡散にもかかわらず、カード売上回復税(1月+17.5%)などで現れた民間消費と堅調な増加の流れを見せる輸出(1月+15.2%、2.1~20日13.1%)が韓国経済の回復力を裏付けていると評価した。

ただ、物価上昇の継続(’21.12月3.7%、’22.1月3.6%)、ウクライナ事態の波及影響など対内外リスク要因が存在するだけに、政府は現状況を厳重に認識して総力対応していくことを明らかにした。

☐続いて、洪副首相は財政動向と今後の管理方向を説明した。

ㅇ(動向)パンデミック対応過程で国家債務が増加した事実や、先進国の半分水準*である国家債務比率の増加幅、今年の国家債務比率・財政収支予測値**などを考慮すると、財政健全性は主要国に比べて良好であると見られると評価した。

* ’19年比 ’21年一般政府負債(IMF, ‘21.10月): (韓国) 9.2%(42.1 → 51.3%
(先進国)17.8%103.8 → 121.6%

**追加予算反映時 ’22年国家債務比率50.1%、財政収支-3.3%と展望

-ただし、国家債務増加速度が相対的に速いという点については政府も格別な警戒心を持っていると言及を付け加えた。

ㅇ(管理方向)コロナ19危機を経験しながら財政が積極的な役割を果たしたのは避けられないことであったが、今後私たちの日常と経済活動が正常化するにつれて「財政の正常化」も行われるべきだと強調した。

– このため、政府は

総支出増加率を徐々に下方調整し、
非課税・減免整備等を通じて歳入基盤を強化する一方、
厳格な財政準則設定・遵守のために努力する

という意志を明らかにした。

『ムーディーズ』側は、韓国の財政健全性が主要国に比べて相対的に良好な水準であるという評価に同意し、財政の持続可能性維持のための政策方向、高齢化などの財政側面影響、ウクライナ事態の経済的影響などに関心を表明した。

☐政府は、今後も『ムーディーズ』など国際信用評価会社と緊密な協議を通じて、韓国経済動向と主要な問題対応方向などを積極的に共有することで、対外信用の高揚努力を万全にする計画だ。

ㅇ今回の年次協議は02月28日まで行われる予定であり、『ムーディーズ』の今年の韓国の国家信用等級の評価・発表は第2四半期中に行われると予想される。

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「ホンナムギ副首相、国際信用評価会社ムーディスと面談」

洪長官は恐らく冷や汗をかきながら防戦に努めたことでしょう。とにかく説得に努めた様子が見て取れる内容となっています。

輸出は増加傾向ですが、貿易収支は減少しており大問題のはずですが、これについては一切プレスリリースにはありません。

また、最も懸念される政府負債の異常な増加については、「対GDP比率で先進国よりもまし」と説明しています。昨年と同じく財政準則を強化して……などといっていますが、結局財政準則を法制化できてはいません(立法府が棚上げしているからです)。

今回公表されたプレスリリースでは、赤いアンダーラインを引いた部分だけが、『ムーディーズ』の反応です。「『ムーディーズ』は韓国の財政健全性が主要国に比べて相対的に良好な水準であるという評価に同意した」と書いています。

韓国の政府負債が対GDP比で50.1%としており、これは確かに主要国と比べて低いです。その事実と「韓国が大丈夫」というのは違うハズなのですが、さあ『ムーディーズ』はどう判断しますか。

信用格付け会社はとかく定量的な部分のみで判断するので、日本が韓国よりも評価が低い、なんてことになります。

本日2022年02月28日、『ムーディーズ』は『韓国銀行』との協議を行います。これまた横で聞いていたい会議なのですが……。

ともあれ、『ムーディーズ』が第2四半期中に公表する韓国の信用格付けにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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