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【負債激増】『韓国電力公社』の危機。社債発行すでに「10兆」の恐怖

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Money1では何度もご紹介していますが、韓国の『韓国電力公社』は経営が傾いています。

会社は大赤字で電気代は安い

そもそもなんで公社で民間企業じゃないんだという話もあるのですが、これは電気料金を安く抑えるためでもあります。韓国は電気料金が日本に比べて安いなんてよくいわれますが、これは当たり前の話で、公社が赤字で電気を提供しているためです。

赤字でも政府が公社に補てんするので飛ばずに済んでいます。

2020年には、さすがにマズイということで、燃料価格の値上がり分を料金に反映することが決まったのですが、そこにきたのが資源価格の高騰です。

2021年には石油・石炭価格が急騰。これを電気料金にそのまま反映するとマズイ!と慌てた文政権は豹変。「電気料金上げることまかりならん」と決定。

これによって『韓国電力公社』の業績は2021年に大きく傾きました。先にご紹介した結果を再度以下に貼ってみます。


↑GoogleChromeの自動翻訳なので一部ヘンな日本語がありますがご寛恕ください。

2021年
総売上:60兆5,748億ウォン
営業利益:-5兆8,601億ウォン
当期純利益:-5兆2,549億ウォン

⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト

本業のもうけを示す営業利益が「-5兆8,601億ウォン」。どうするつもりなんだという巨額赤字です。

どうするつもりもこうするつもりもなく、どこかから資金を調達しないといけないわけですから、『韓国電力公社』は(よせばいいのに)社債を大量に発行しているのです。

社債発行額がすでに「10兆ウォン」!

2022年の第1四半期の段階で、『韓国電力公社』はすでに9兆6,700ウォン(約9,670億円)の社債を発行しています。

2021年の1年間で発行した社債の金額が「10兆4,300億ウォン」(約1兆430億円)ですから、第1四半期だけで昨年1年間の資金調達額に迫るのです。

『韓国電力公社』の社債発行規模
2020年: 3兆5,200億ウォン
2021年:10兆4,300億ウォン
2022年: 9兆6,700億ウォン
2022年は第1四半期のみ

『韓国電力公社』がいかに資金に困っているのかが分かりますが、このハイペースが維持されると社債発行が年間40兆ウォン(約4兆円)に達するかもしれません。

まずい点が3つあります。

第1に、ロシア軍のウクライナ侵攻によって原油価格が高止まりしており、これの影響をモロに受けて2022年の業績がさらに悪化する可能性が高いこと。

第2に、ウォン安が急進しており、これによってウォン建ての原油輸入額が膨らみますので、業績悪化の要因になること。

第3に、尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領が公約で「電気料金を据え置く」としたことです。

この公約によって04月からの電気料金値上げが凍結されるでしょう。すると、『韓国電力公社』の業績は、1、2によってさらなる赤字を膨らませることになります。

公社などで飛ぶことはありませんが、このエネルギーインフラ政策の歪みによって生じる損害は、結局のところ国民の税金によって補てんされることになるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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