韓国の左派政党『共に民主党』で内紛が起こっています。
大統領選挙に敗れ野党に転落した『共に民主党』ですが、国民の支持を大きく失っています。自分たちが捕まりたくない一心で「検察から捜査権を完全に剥奪する法律」を通過させたりすれば民心が離れても当然のこと。同党議員によるセクハラ事件が発覚したことも支持喪失に大きく影響しました。
好き勝手にやり過ぎたせいなので全くの自業自得、身から錆なのですが、「これではいかん」という意識だけはあるのです。
そのため「非常対策委員会」なるものを作っています。
とことが、その朴志ヒョン(パク・チヒョン)共同非常対策委員長が、2022年05月24日、自身の発言について『共に民主党』の幹部に謝罪する羽目に陥りました。
朴委員長は「ネロナムブルの汚名をそそぎ、民主党をファンダム政党ではなく大衆政党にする」「586世代の議員は勇退して若い政党に向かうべき」と述べていたのですが、これが『共に民主党』の指導部を怒らせたのです。
「ネロナムブル」は、日本でも知られるようになりましたが、「自分がやったらロマンスで他人がやったら不倫」とするという意味。要は自分を甘やかす、身内に甘いということです。
「586世代」というのは、現在50歳代で、1980年代に民主化闘争に関わり、1960年代生まれの人々のことです。
特に586世代の勇退勧告、ファンダム政治をやめよう――という主張が『共に民主党』の幹部を怒らせました。「老害は去って若い者に道を譲れ」と言ったも同然ですので、怒っても当然でしょう。
『共に民主党』の指導部は当時の学生運動圏上がりの人物ばかりです。
先に少しだけご紹介したことがありますが、文在寅前大統領自身も盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と一緒に釜山で共同弁護士事務所を開き、学生運動家の弁護を担当。これが政治に身を投じるきっかけとなったのです。
韓国では独裁政権に抵抗したとして当時の学生運動は非常に美化されています。文政権下では、「5.18光州事件」について疑義を提起するような発言「歴史歪曲の罪」として封じる法律が作られたほどです。自身が学生運動圏上がりなので、このような法律を発議、通してしまうわけです。
言論の自由となんと考えているのか全く不明です。
それはともかく、「586世代が問題だ」「586世代のファンダム政党ではいけない」という朴志ヒョン(パク・チヒョン)共同委員長の認識は真っ当なものでしょう。少なくも大統領選挙で敗れたのですから。
しかし、『共に民主党』の重鎮である尹昊重(ユン・ホジュン)共同非常対策委員長や朴洪根(パク・ホングン)院内代表は激怒。ファンダム政党らしく支持者から多くの非難が朴志ヒョン(パク・チヒョン)共同委員長に寄せられました。
で、結局――朴志ヒョン(パク・チヒョン)共同委員長が謝罪に追い込まれた、というわけです。
06月01日の「全国同時地方選挙」の結果次第では、『共に民主党』の内紛はさらに激しくなり、四分五裂するかもしれません。
本日は、「全国同時地方選挙」前の最後の土曜日です。
(吉田ハンチング@dcp)