<<重要な追記>>
初出原稿で数字に誤りがありましたので修正いたしました。誠に申し訳ありません。深くお詫び申し上げます。
2022年06月10日、『韓国銀行』から2022年04月の国際収支統計が公表されました。
結論からいえば、04月の経常収支は赤字となりました。
「残酷な四月」の効果が出た!
04月の経常収支の構成を見ると以下のようになります。
2022年04月
貿易収支:29億4,770万ドル
サービス収支:5億7,270万ドル
第1次所得収支:-32億4,600万ドル
第2次所得収支:-3億5,370万ドル
経常収支(上記4つの合計):-7,930万ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
今回の経常収支赤字は、コロナ禍に見舞われた2020年04月以来、2年ぶりのことです。
何度もご紹介していますが、04月は外国への配当支払いが集中する月で、そのために韓国から外国への巨額の資金流出となります。
韓国メディアが時に04月を「残酷な四月」と呼ぶのはそのためです。
それを示しているのが「第1次所得収支:-32億4,600万ドル」です。
04月は通関ベースの貿易収支が「-25億800万ドル」の赤字だったのですが、予測どおり国際収支統計では「+29億4,770万ドル」と黒転しています。
それは良かったのですが、韓国の場合、貿易収支が十分に大きくないと経常収支が黒字にはなりません。「29億4,770万ドル」では足りないのです。
幸いなことにサービス収支が薄いながらも黒字になっていることで、第1次所得収支の大きな赤字の影響を軽減することができました。
残酷な四月に経常収支が赤転しましたが、05月は恐らく黒字に戻るでしょう。
ただし、問題なのは韓国にとって最も重要な貿易の先行きがあまり明るくないことです。輸出額が下がることが予想されていますし、貿易のもうけを示す貿易収支は通関ベースながら2カ月連続の赤字です。
Money1では何度もご紹介していますが、韓国という国は(国際収支統計で)貿易収支が減少し、これによって経常収支が減少・赤転しだすととたんに危なくなります。
韓国経済に警告灯がついていることは確かなのです。
(吉田ハンチング@dcp)