2022年07月18日、日本の林芳正外務大臣と韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官の会談が行われました。
晩餐会も入れて約2時間半の会議が行われましたが、結果はどうなったのかといいますと、まず以下の艦娘国外交部のプレスリリースをご覧ください。
□朴振(パク・ジン)外交部長官は就任後初めて公式訪日し、07月18日(月)、林芳正日本外務大臣と方案について意見を交換した。
□ 会談に先立ち、朴長官は岸田首相と林市大臣のリーダーシップの下、日本国民が安倍前首相の急逝による衝撃と悲しみを賢く克服していくことを祈り、深い哀悼と慰めの意を伝えた。
□両長官は、急変する国際情勢下で日韓両国が地域および世界の平和と繁栄のために多様な分野で今後緊密に協力していこうという点で意見が一致した。
□両長官は、最近、朝鮮半島情勢に対する評価を共有し、北朝鮮の追加挑発については断固として対応していく一方、対話の扉を開けておき、柔軟で開かれた外交的アプローチを推進していくために日韓・日米の協力をさらに強化するとした。
□朴長官は、1998年「21世紀の新日韓パートナーシップ共同宣言(金大中・小渕宣言)」の精神と主旨に基づいて、両国関係を発展させていこうとした。
□朴大臣は、強制徴用判決関連の現金化が行われる前に望ましい解決策が出るように努力すると述べ、両国は同問題の早期解決が必要であるという認識を共にした。
□朴長官は、これまで両国間の緊密なコミュニケーションの下で▴金浦 – 羽田路線を再開、ビザ免除など日韓間の人的交流復元のための措置がなされた点を評価し、今後もビザ免除など交流の再活性化に必要な制度的基盤整備のために努力し続けようとした。
※朴長官は今回訪日時に金浦-羽田路線利用
□両長官は、相互関心事について意見を交換し、両国間諸般懸案の早急な解決のために長官間を含めて協議を加速しようという意見が一致した。
終わり。⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「日韓外交長官会談(7.18)結果」
注目すべきは、「朴振(パク・ジン)長官が」「強制徴用判決関連の現金化が行われる前に望ましい解決策が出るように努力する」と述べたことです。
「両国が努力する」ではありません。「韓国が望ましい結果が出るように努力する」です。
つまり、文面から見る限りにおいては「本件は韓国マター」であることを認めたことになります。
次に、日本国外務省のプレスリリースを見てみましょう。以下です。
07月18日午後4時頃から約2時間半、林芳正外務大臣は、訪日中の朴振(パク・チン)韓国外交部長官との間で会談及びワーキングディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。
1.朴長官から、今般の安倍元内閣総理大臣の逝去に関し、衷心よりの弔意が伝えられました。これに対し、林外務大臣から、朴長官の弔意に謝意を述べました。
2.両外相は、現下の戦略環境に鑑み、日韓・日韓米協力の進展が今以上に重要な時はないとの認識で一致しました。また、ロシアによるウクライナ侵略に対する非難で一致しました。
3.両外相は、北朝鮮への対応における更なる連携を確認しました。また、朴長官から拉致問題について改めて支持を得ました。
4.林外務大臣から、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき日韓関係を発展させていく必要があり、そのためには旧朝鮮半島出身労働者問題を始めとする日韓間の懸案の解決が必要である旨述べました。
5.朴長官から、現金化が行われる前に、望ましい解決策が出るよう努力する旨述べました。その上で、両外相は、この問題の早期解決で一致しました。
6.両外相は、両国間の協議を加速させることで一致しました。また、両外相は、両国間の人的交流の再活性化を進めていくことでも一致しました。
日本側のプレスリリースでも「朴長官から、現金化が行われる前に、望ましい解決策が出るよう努力する、旨述べた」となっています。
これが字面どおりであれば、本件は「まず韓国が解決方法を見つけることだ」と日韓の外相が合意したと取れます。
韓国の場合は、後で「そういう意味じゃなかった」などと言い出す可能性がなきにしもあらず――ですが、とりあえず、日本の外務省はいらざる譲歩は行わなかったように見えます。
(吉田ハンチング@dcp)