韓国の『LGエネルギーソリューション』は、韓国政府も期待する二次電池製造企業です。
文在寅前大統領が主力輸出品として期待した「K-バッテリー」を支える3社のうちの1社です。
もともと『LG化学』の一事業部でしたが、同社の完全子会社として分社化、株式の上場も果たしました。以下が上場以来の株価の推移です(チャートは『Investing.com』より引用/日足:以下同)。
『LGエネルギーソリューション』のIPO(新規株式公開)の際には、公募期間で韓国史上最大の「約114兆ウォン」の証拠金が集まりました。
競争倍率は約70倍。公募価格は「30万ウォン」でした。
2022年01月27日・上場初日の始値は「59万7,000ウォン」でしたが、終値は「50万5,000ウォン」。初日は上掲のとおり大きな下落となりました。
直近の2022年07月22日の終値は「38万2,000ウォン」です。ヨコヨコで展開していますが、いまだに公募価格は割っていません。
しかし、来る07月27日以降に、株価がドンと落ちるかもしれないという予測が出ています。
ロックアップの期間が終わるのです。
「機関投資家」の動きが鍵
IPO株式の場合、大口の投資家には、この期間は株式を売却しないでくれ、という「一定の保有期間」が課せられます。株価の大きな変動を避けるためです。これをロックアップ(lock-up)といいます。
ロックアップは6カ月ですので、2022年07月27日に解除されます。
『LGエネルギーソリューション』の株式数は「2億3,400万株」。このうち、ロックアップが解除されるのは、2億146万株です。
この2億146万株は、
・機関投資家保有:996万株
で構成されています。支配権に影響するので、親会社の『LG化学』が大量売却に乗り出すとは考えにくいです。そのため「996万株」を保有する機関投資家がどう動くのか、です。
機関投資家が大量売却に踏み切った場合、そのニュースが出た段階で一般投資家も売りに走って株価が一気に下がる可能性があります。
実際、『KakaoPay(カカオペイ)』の株価がそのパターンでした。以下の同社のチャートをご覧ください。
↑06月07日の終値「10万6,000ウォン」から翌日08日の終値「8万9,500ウォン」まで「15.6%」下落しました。
『カカオペイ』は一気に15.6%も株価が落ちています。まごうことなき暴落です。わずか1日で時価総額「2兆1,761億ウォン」が蒸発しました。
もちろん機関投資家の動き次第ですが、『LGエネルギーソリューション』の株価が同じパターンにはまらないとも限りません。
ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)