「韓国政府が通貨スワップを諦めたらそこで終わりですよ」

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名作バスケ漫画の台詞みたいなアドバイスが出ました。

韓国の通貨ウォンが対ドルでずんずん安くなり、「1ドル=1,400ウォン」寸前という通貨危機時水準です。

まだ日足のローソク足実体線で1,400ウォンを確定してはいませんが、ぎりぎりの攻防が続いています。

まもなく『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)が通過しますので、このまま1,400ウォンを確定させずにオーバーシュート分の調整が入るというシナリオもあり得ます。

ともかく、通貨安を止めるためには、一般論としては「利上げ」を行えばいいのですが、韓国の場合にはアメリカ合衆国に負けじと利上げを行うと、膨れ上がった家計負債が破裂する可能性があります。

そのため『韓国銀行』もマイルドな利上げにとどめているのですが、思い切った利上げができないため通貨安も止められません。まあ堂々巡りです。

ウォン安を止める手がないので、韓国メディアからはしつこく「通貨スワップを締結せよ」とできそうもないことを希望する声が上がっています。

いちいち拾っていると切りがないのですが、『ソウル経済』に興味深いご意見を報じる記事が出ました。

毎度おなじみ、スキあらば「通貨スワップ」を連呼する成太胤(ソン・テユン)『延世大学』経済学部教授にインタビューした記事です。

以下に記事の一部を引用します。

(前略)
――米韓通貨スワップについては?

「現在の通貨当局と行政府の消極的な態度には問題がある。

合衆国が自国の利益を優先するため、通貨スワップは締結してくれないと予断して十分に努力せず、諦めてはならない。

イソップ童話で、キツネが高い木に成ったブドウが食べられず「あのブドウは酸っぱい」と振り返るのと何が違うのか。

米韓通貨スワップは決して不可能な問題ではない。

韓国政府は米韓同盟の相互利益を強調しながら、より積極的な姿勢で取り組むべきだ」
(後略)

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「“원화 가치 하락 이미 위험 수위…순식간에 ‘IMF 위기’ 수준 맞을 수도” [청론직설]」

成太胤(ソン・テユン)教授は、韓国政府、『韓国銀行』の「どうせダメだってば」という態度が気に入らないご様子で「諦めたらそこで終わりだ」と説いています。

米韓通貨スワップは決して不可能な問題ではない」と力説していらっしゃいますが、現時点では可能性はほぼゼロです。合衆国はドルの流動性拡大を望んでいないからです。

例えば、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁はそれを十分に理解しているので、通貨スワップを連呼するメディアや識者に「フン」という冷笑的な態度をとっているのです。恐らく「ばかは黙ってりゃいいのに」ぐらいは思っているでしょう。

また、「米韓同盟の相互利益を強調しながら……」という言葉も現実味がありません。なぜなら、少なくとも現在のところ韓国と「通貨スワップ」を締結することは合衆国の利益にならないからです。

「虚仮の一念岩をも通す」といいますが、この岩を突破するのは無理なのではないでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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