韓国の皆さんは、日本の朝鮮併合によって資本主義が根付き、発展したことを否定します。日本が中世社会に過ぎなかった朝鮮を近代に向けて発展させたと認めたくないからです。
しかし、これは動かしがたい事実です。
また、韓国の学者、先生方の中には「日本の朝鮮半島に対する貢献を否定したい」ためでしょう、「日本の支配がなくても朝鮮には資本主義が発展することはできた。その萌芽はあったのに日本の植民地支配によって潰された」と論を述べる方がいらっしゃいます。
そんな「起こらなかったこと」を述べ立ててなんになるのか、と思わされますが、韓国にはこの荒唐無稽な論を真じる人が多かったりするので始末に困ります。
『反日種族主義』が刊行されるなど、徐々にではありますが、韓国でも「事実」が知られるようになってきましたが、「日本の朝鮮への貢献論」は感情的な面から頭ごなしに否定されがちです。
日本人による研究、韓国人による研究を否定するなら、第三者の立場であるアメリカ人の研究ならいかがでしょうか。カーター・J・エッカート先生による『日本帝国の申し子』は、日本併合時代の「朝鮮半島の経済的発展」について調査研究した(今や)古典的名著です。
同著から、以下に一部を引用してみます。
(前略)
だが先にも述べたように、朝鮮資本主義のルーツを一八七六年以前に設定するのは、学者の希望的観測の産物にすぎない。いっぽう、一八七六年をさかいに朝鮮人資本家が出現し、ようやく産業に目を向けはじめたということには疑いの余地がない。
植民地支配は資本家の成長を抑えるどころか、むしろ大きく前進させた。
すでに述べた政治的および経済的理由によって、日本は朝鮮人資本家階級の発達を容認し、これを支援したのである。
こう主張したからといって、日本の帝国主義を弁護するものでは決してない。
私の意図は、今なお多くの韓国人学者のあいだに充満している植民地神話の一つを払拭することにある。
植民地支配がなければ、朝鮮人が自力で資本家階級を生み出したという可能性もないとは言えない。
しかし、実際にはそうはならなかった。
朝鮮の資本主義は、植民地支配という環境のなかで最初の真の成長を遂げたのである。
確かにこれは不幸なことであり、多くの朝鮮人には認めがたい不快な指摘かもしれない。
しかし、それはまぎれもない事実なのである。
(後略)⇒参照・引用元:『日本帝国の申し子』著:カーター・J・エッカート,訳:小谷まさ代,草思社,2004年01月30日 第1刷発行,p94
※強調文字、、赤アンダーラインは引用者による
誤解しないでいただきたいのは、エッカート先生は日本の朝鮮併合を擁護するためにこの研究書を刊行したのではありません。
韓国の経済的発展の根っこがどこにあったのかを研究する中で、「日本の朝鮮併合が資本主義を根付かせ、加速させたのだ」という結論に至ったのです。
朝鮮併合の負の部分もきちんと調査、記載されており、同著の中には日本人が読むとどきりとさせられる部分も少なくありません。
しかしながら、エッカート先生が書いていらっしゃるとおり、「日本がなくても朝鮮には資本主義が根付き発展した」などという論は「実際にはそうはならなかった」ことを希望的観測を持って述べ立てた論に過ぎません。
「実際には起こらなかった」のですから、資本主義萌芽論なるものはうそという他ありません。
日本が朝鮮半島に資本主義を根付かせ、経済を発展させたのは紛れもない事実なのです。
(吉田ハンチング@dcp)