韓国は輸出に依存した国で、そのため「主力輸出品目」については敏感です。「何」が国を支えているのかを示すものだからです。
Money1でもご紹介しているとおり、産業通商資源部また関税庁の輸出入データでは、必ず「15大輸出品目」、あるいは「10大輸出品目」の輸出入動向についての言及があります。
この品目が10年前から変わっとらんじゃないか――というのが、『韓国銀行』李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁の指摘で、だからこそ韓国は経済発展の袋小路に陥っているのです。
理由は外国(主に日本)から技術剽窃が不可能になったからです。
そのため文在寅大統領の時代から、「次の何か」を探しているのですが、現在に至るも見つかっていません。
先にご紹介したとおり、産業通商資源部が「ラーメンと海苔とK-POP」など、次期有力輸出品目を挙げたことがあるぐらいです。

海苔が絶好調! 黒い半導体は1兆ウォンというが……
実際、この「ラーメンと海苔とK-POP」は有力な輸出品目になっており、韓国メディアでもしばしば「海苔の輸出が1兆ウォンを達成」などの記事を出します。
傑作なのは、海苔のことを「黒い半導体」などと呼称することです。
いや、それは海苔ですよ――なのですが、韓国からすれば半導体のように輸出の一翼を担う品目に成長してくれという希望を込めての呼称なのかもしれません。
しかし、金額からいえば全く比較にならないほど小さいのが本当のところです。
例えば、2023年12月21日、韓国の海洋水産部は「海苔、水産食品として初めて輸出1兆ウォン(7.7億ドル)達成」というプレスリリースを出しています。
本物の「半導体」は、好調な月には100億ドルに達しますので、1年で7.7億ドルと1カ月で100億ドルですから、全く比較にも何もならないことが分かるでしょう。
いくら海苔の輸出が好調でも、また黒い半導体と呼ぼうが、本物の半導体の代わりには絶対になりません。
朝鮮半島の「海苔」養殖が発展したのは日本のおかげです
そもそも海苔の輸出が好調なのは、世界的な「寿司ブーム」が現在も続いている(ブームを通り越してポピュラーなメニューとして定着)からであって、韓国が誇る「キムパプ」なるものは、日本産の「海苔巻き」を改造したものです。
ですから、韓国の海苔の輸出が好調なのは、日本のおかげ――と言っても過言ではありません。
Money1でも、そもそも韓国で発展した海苔の養殖は「日本人の開発した技術」のおかげ、とご紹介してきました。個人名を挙げれば、『朝鮮総督府 水産試験場』主任技師・富士川きよしさん、全羅南道水試技師・金子政之助さんです。
「浮きヒビ養殖法」を開発したことで、生産量を飛躍的に伸ばすことに成功しました。
この「日本のおかげで海苔の養殖が韓国で発展した」――という指摘は、先にご紹介したシンシアリー先生が翻訳・解説を行った『THE NEW KOREA』にも登場します。
以下に該当箇所を引用してみます。
(前略)
旧朝鮮政府時代に、様々な水産物が朝鮮沿岸から姿を消しつつあった。その理由は、漁業に対する統制がまったく取られていなかったからだ。
季節や時期を無視して漁が行われ、漁場が十分に回復される時間も与えず、数年間も乱獲が続いた。
しかし、総督府の積極的な努力により、多くの漁業関連事業が行われた。
その中でも最も成功したのは、慶尚南道と全羅南道の海苔の養殖である。
(後略)⇒参照・引用元:『THE NEW KOREA』著:アレン・アイルランド 翻訳・解説:シンシアリー,扶桑社,2025年03月10日,p290
念のために書きますが、著者であるAlleyne Ireland(アレン・アイルランド)さんがこの『THE NEW KOREA』を書いたのは1926年(大正15年/昭和元年)のことです。
同時代を生き、実際に朝鮮を訪問して調査したアイルランドさんが指摘するほど、日本の朝鮮半島に対する貢献は多大なものだったのです。朝鮮総督府が主導して、朝鮮に海苔の養殖事業を開発・発展させたことを、いったいどれほどの韓国人が知っているでしょうか。
さらに付言すれば、よいお土産になっている「韓国海苔」も発明したのは日本人です。個人名を挙げれば、秋山英一さんです。

つまり、現在韓国が誇っている黒い半導体なる韓国の海苔は、「日本人起源」といってもいいわけです。
(吉田ハンチング@dcp)