Money1では「韓国の夏は終わった」とご紹介していますが、これは韓国の人口がすでに自然減少フェーズに入っているからです。
↑韓国は出生数と死亡数が2020年にデッドクロス。人口の自然減少フェーズに入りました。2022年は06月までの結果ですのでご注意ください。データ出典は『韓国 統計庁』公式サイトです。
出生数よりも死亡数の方が多く、人口が増えません。合計特殊出生率※は2021年時点で「0.81」と世界各国の中で最低。
2022年の第2四半期には「0.75」を記録しています。さらに下がったわけで、もちろんこれも世界最低です。
そのため韓国という国は日本よりも急速に老い、人口が減少していきます。
高齢化が進んで人口が減少すれば、生産も減りますし、消費も減り、健康保険・老齢年金など社会保障費がかさんで経済的成長がおぼつかなくなります。
問題の解決には「人口」を増やすしかないので、少なくとも合計特殊出生率を「墜落」から「下落」ぐらいまでには和らげないといけません。
先の文在寅政権では、結局この「人口減少問題」にはなんら手をつけず、おまけに年金改革についても「大丈夫だろう」で次期政権に丸投げしました。
貴重な5年間という時間を失ったのです。時間は取り返しがつきません。
この1点だけ取っても前文政権がいかに無能だったのかが分かります。もっとも少子化対策については有効な手が打てたとは考えられません。
――というのは、韓国はこの16年間で「280兆ウォン」(約28兆円)を投入したにもかかわらず、なんら効果を上げることができませんでした。
人口が戦時よりも多い「165万人減少」の予測
2022年09月27日、国務会議において尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、この少子化対策について取り上げました。前文政権が放置したので焦眉の急となっています。
以下は大統領室が公開したプレスリリースです。
本日(9/27)の国務会議では、人口問題について深く議論が行われました。
尹錫悦大統領は、人口危機対応において後がないという覚悟に取り組み、人口政策のコントロールタワーである低出産高齢社会委員会の全面改編を含め、部署レベルの対策を注文しました。
議論に先立ち、企画財政部は「人口構造の変化と対応方向」をテーマに発表しました。
2021年から韓国の人口が減少し始め、2040年には戦時の規模を超える人口(165万人)が減少するという統計庁予測値を紹介しました。
続いて、韓国社会の人口構造の変化により、生産年齢人口減少・縮小社会の到来・超高齢社会進入など3大リスク要因に直面していると診断しました。
低出産環境改善のためには、
△雇用不安
△住宅負担
△出産・子育て負担
△教育負担
△一家庭両立など、5大低出産要因を解決しなければならないと指摘しました。
尹錫悦大統領は、「人口危機は長期戦になる難しい問題ですが、少なくとも韓国政府の任期内に傾向を変化さえる機会を作るよう努力しよう」と強調しました。
特に、全ての省庁に、政策推進の際に人口減少による成長動力の下落など、人口政策の観点から検討を促しました。
尹大統領はまた、全国どこでも住みやすい地方自治時代を開き、成長のボリュームを高める一方、支援と教育において国家の責任を強化し、良質な人材を拡充できる方案などを多様に出していくことを強調しました。
今後、政府は2006年に発足した「低出産高齢社会委員会」の改編をはじめ、各界専門家の意見などを収束し、早い時期に総合対策を設ける計画です。
注目は統計庁の人口予測がアップデートされている点です。2040年には現在から165万人も人口が減る、としています。
「果たしてその程度の減少で済むかね」と思わないでもありませんが、韓国の人口が5,000万人を割り、減少を続けます。これは確実に訪れる未来です。
なにせ人口学というのはほぼ「読み」を外さない学問です。これまで「280兆ウォン」突っ込んでダメだったので、これはお金を突っ込めばなんとかなるという問題ではないとも考えられます。
「この国で子供をつくり育てたいと若い人に思ってもらえるようにするのが先ではないのか」という意見も上がっています(もちろん日本も他人事ではありません)。
真っ当な指摘かもしれませんが「どうやってそれを実現する?」という具体的な対策はなかなか出ません。
もう何度だっていいますが、一発逆転の手は北朝鮮と合併することです。
※合計特殊出生率は「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」です。この数字が2.2ないと人口は増えていかないといわれます。
(吉田ハンチング@dcp)