韓国の悪いヘキです。
『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁、企画財政部の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官が、イエレンさんなどアメリカ合衆国の金融関連Topに接触すると、すぐに「通貨スワップは?」と盛り上がります。
メディアだけではなく、韓国識者も「通貨スワップ締結の努力をすべき」などと言います。
現状ではほとんど可能性がないので何回言おうが無駄と思われるのですが。
韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官がアメリカ合衆国・ワシントンに出張し、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)のクリスタリナ・ゲオルギエバ総裁、アメリカ合衆国財務相のジャネット・イエレン長官、サウジアラビアのムハンマド・アル・ジャダーン財務大臣と面談を行いました。
↑G20財務長官会議およびIMF/WB年次総会に出席するためにワシントンD.C.を訪問中の秋長官。10月12日(現地時間)国際通貨基金(IMF)本部でクリスタリナ・ゲオルギエバ総裁と面談に先立ち握手して挨拶を交わしているところ。
↑10月13日(現地時間)国際通貨基金(IMF)本部でジャネット・イエレン財務長官と面談前に握手しているところ。
合衆国財務長官のイエレンさんとまた会うことになったので、韓国の記者からは「通貨スワップは?」と聞かれたのですが、先にご紹介したとおり、秋長官は「ないです」ときっぱり述べたのでした。
秋長官が記者からの「通貨スワップ」絡みの質問にうんざりしていることが分かる記者会見でした。
問わず語りの秋長官
今回の秋長官の面談について韓国メディアが以下のように報じています。『ソウル経済』の記事から引用してみます。
(前略)
14日、企画財政部によると、ゲオルギエバ総裁は13日(現地時間)、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官と面談した席で「韓国は政府負債が低く、強い基礎体力を保有しており、外国為替保有額や経常収支なども良好だ」と評価した。秋副首相は「韓国は今後、健全な財政基調を推進し、家計負債を安定的に管理し、潜在成長力を拡充することに努めるだろう」と強調した。
(中略)
秋副首相は、イエレン長官とも面談で合衆国のインフレ削減法(IRA)と関連して韓国の懸念を伝え、今後協議を続けることにした。
また、外国為替市場の変動性拡大時の対応方案についても既存の合意を再確認した。
韓国の状況を勘案すると、すぐにドルスワップのような流動性供給装置は必要ではないが、危機感が大きくなればいつでも相互協力できるという趣旨だ。
(後略)
『IMF』のゲオギルバ総裁は「韓国は政府負債が低く、強い基礎体力を保有しており、外国為替保有額や経常収支なども良好だ」とのこと。
「韓国はだいじょうぶだぁ」と語ったことになります。
そのとおりならいいのですが、秋長官の答えが傑作です。
「健全な財政基調を推進し、家計負債を安定的に管理し、潜在成長力を拡充する」とのことで、けっこう課題は多くあります(笑)。『IMF』が気にしていることを先回りして述べたのですね。
「韓国人はうそつきだか正直」という古田博司先生の至言はこのようなところからも垣間見えます。
メディアは願望丸出し
イエレン長官との会談については韓国メディアの願望が出ています。
秋長官が「インフレ削減法」と「外国為替市場の変動性拡大時の対応方案」についてイエレンさんと話し合ったのは事実でしょうが、「すぐにドルスワップのような流動性供給装置は必要ではないが、危機感が大きくなればいつでも相互協力できるという趣旨だ」――は記者の解釈です。
何度もご紹介していますが、イエレンさん訪韓の際の「流動性供給装置」が具体的に何を指すのかは、合衆国の解釈次第です。
韓国メディアは大統領室の公表もあって、なぜか「通貨スワップだろう」と考えているようなのですが、これは勝手な推測です。
そもそも、韓国の求める「ドル流動性スワップ」(韓国側呼称「通貨スワップ」)は、『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)のマターであって、イエレンさんがTopの財務省管轄ではありません。
ともあれ、韓国メディアが望む「通貨スワップ」については今回も空振り。秋長官が「サプライズはない」と述べたとおりでした。
(柏ケミカル@dcp)