次の世界的金融危機の発火点になるのではないか、と注目されている「ドイツ銀行」ですが、07月07日、同行のクリスティアン・ゼービングCEO(Chief Exective Officerの略:最高経営責任者)は大リストラ策を公表しました。
⇒参照記事:『Money1』「ドイツ銀行のナニが危ないのか?」
https://money1.jp/?p=8956
約1万8,000人の解雇(全従業員9万1,000人の約2割)、一部事業からの撤退を行い、同行の縮小・再編を実現するとのこと。株式のトレードも行わなくなるなど、特に投資銀行部門は大幅に縮小を予定。
このリストラプランの実行で、第2四半期(04-06月)には「28億ユーロ」(約3,404億円:07月08日のレートで計算)の損失を見込んでいます。また、2022年末までに「74億ユーロ」(約8,998億円:レートは同上)のリストラ費用計上を想定しているとのこと。
ゼービングCEOは「We are returning to our roots.(当行は原点に返る)」と報道資料の中で述べています。これが「そもそもドイツ銀行はドイツの企業に資して発展してきた」ことを指しているのだとすれば、しかしドイツ銀行はまだ図体がでかすぎます。また、不良債権がこの程度のリストラでカバーできるのかも疑問です。
ちなみに、ドイツ銀行は本年・来年は「株主への配当はなし」(無配)と決定済み。ムーディーズはドイツ銀行の格付けを「ネガティブ」とし、見通しに変更なしと発表しました。
⇒参照記事:『Bloomberg』「Deutsche Bank Plans Radical Surgery After CEO Runs Out of Options」
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-07/deutsche-bank-s-sewing-orders-radical-surgery-for-ailing-lender
(柏ケミカル@dcp)