輸出が弱っており、韓国の貿易収支が赤字に傾きがちとなっています。貿易収支が赤字化すると、経常収支が危なくなってきます。
経常収支が赤転すると、外貨不足を融資などによってファイナンス(穴埋め)しようとしますので、これが韓国の経済危機の引き金になります。積み上がった対外債務を償還できずにドボン騒動を起こすのです。
韓国レゴランドのABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)に端を発する資金調達市場の冷え込みは、対外債務を積み上げる契機となるかもしれず、韓国がいつか来た道をまたたどるのではないかという懸念を抑えることができません。
そもそも大本の問題である貿易収支の赤字化からなんとかせねばならず、そのため韓国政府は「輸出ガー」と連呼するようになっています。
2022年「対中国貿易」の惨状
貿易収支が赤字に傾くのは、対中国貿易でもうけが出せなくなっているからだ――というのは、韓国のメディア・識者の皆さんが指摘するところです。
韓国の産業通商資源部が、2022年11月01日に出した輸出入動向のデータを基に、これまでボロもうけ、カッパいできた対中国の貿易がどのようになっているのか確認してみましょう。
以下が、対中国の「2022年01~10月の貿易収支(輸出 – 輸入)の推移」です。
05月に「-10.9億ドル」の貿易赤字に転じ、08月まで4カ月連続の赤字。09月に「+6.8億ドル」とわずかながら黒字となりますが、「10月:-12.5億ドル」と再び赤転。
01~10月累計でわずか「+26.4億ドル」しか黒字がないのです。
信じられないかもしれませんが、2021年は通期で「243億ドル」の黒字でした。
まだ2カ月残っていますが、ここまでで韓国は対中国貿易の黒字を「89.1%」失っています。
対日貿易は慢性赤字で変わらず!
ついでに対日本貿易の収支も見てみましょう。以下をご覧ください。
グラフは全て「0」の下にあります。つまり、輸出よりも輸入の方が多く、韓国は対日本貿易では常に赤字です。
2022年01~10月の累計は「-200億ドル」です。
もっとも対日本貿易で韓国が常に赤字なのは今に始まったことではありません。日本の財務省のデータによれば、少なくとも1988年から今まで、韓国は対日本貿易で1年たりとも黒字になったことはないのです。
韓国はずっと日本にとってお得意様です。
韓国の皆さんの中には「すでに韓国は日本の技術力を超えている」などと宣う方がいらっしゃいますが、もしそれが本当なら、日本製品の輸入は減少し、韓国製品の輸出が増加して、対日貿易赤字を続けるなんてことにはなっていないのではないでしょうか。
※当記事での輸出入のデータは、韓国の関税庁、産業通商資源部の公開した「通関ベース」の数字です。
(吉田ハンチング@dcp)