2022年11月24日、韓国メディアによると、『韓国銀行』は2022年下半期の経常収支について大きく下方修正しました。
まず『ソウル経済』から記事の一部を以下に引用します。
『韓国銀行』が今年下半期(07~12月)、韓国の経常収支黒字が2億ドルにとどまると見込んだ。
既存の見通し122億ドルから2億ドルに急減した。
(中略)
今年下半期の経常収支黒字見通しが2億ドルにとどまり、年間経常収支黒字は250億ドルと予想した。
これも8月の展望値(370億ドル)から大幅に縮小することになる。
展望どおりとすると、今年の経常収支黒字は2011年(166億4000万ドル)以来、11年ぶりに最低水準だ。
(後略)
というわけで『韓国銀行』がエライことを言い出したわけです。下半期は経常収支がわずか2億ドルと読んでいて、これは衝撃的な数字です。
まず2022年の経常収支の推移をご覧ください。
2022年 経常収支の推移
01月:19億1,550万ドル
02月:64億1,940万ドル
03月:70億5,760万ドル
04月:▲7,930万ドル
05月:38億5,990万ドル
06月:56億980万ドル
07月:79億110万ドル
08月:▲30億4,910万ドル
09月:16億1,120万ドル
01~09月経常収支累計:241億3,610万ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
※国際収支統計は2022年09月分までしか公表されていません。
2022年上半期と下半期を分けて累計すると以下のようになります。
上半期:247億8,290万ドル
下半期:-6億4,680万ドル
※下半期は07~09月の合計
下半期は「2億ドルの黒字」と読んでいますから、残りの10・11・12月でわずか「+8億4,680万ドル」しか黒字を出せないという予測です。
また、2022年通期の経常収支予測が約250億ドルと大幅に下方修正したことになります。『韓国銀行』は370億ドルと予測していたので、なんと120億ドルも減るのです。
これを年次の経常収支の推移にプロットすると以下のようになります。
2021年の経常収支「883億ドル」から633億ドルも減ります。なんと71.7%減です。
問題は、この外貨収入現象をどのようにファイナンスするかです。これを外国からの融資で……となるとまたいつか来た道。償還できなくなってドボン騒動を起こす可能性が高まるのです。
(吉田ハンチング@dcp)