2023年03月23日、『韓国銀行』が2023年02月時点での韓国の居住者※の外貨預金の動向を公表しました。このデータに注目する理由は、国内保有のDeposits(預金)として持っている外貨の量が分かるからです。
※この場合の定義は「内国人と国内企業、国内に6カ月以上居住した外国人、国内に進出している外国企業などの国内外貨預金」です。
以下が今回のプレスリリースです。
2023年2月末現在の外国為替銀行の居住者外貨預金は975.2億ドルで前月末比117.3億ドル減少
ㅇドル預金(-81.9億ドル)およびユーロ預金(-21.5億ドル)などが減少
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年02月の居住者外貨預金動向」
02月は一気に117.3億ドルも減少しました。これは、2012年06月以来最大の減少です。
どの通貨が減少したのかは、以下です。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年02月の居住者外貨預金動向」
ドルが81.9億ドル減少ですが、他の通貨も全て減少しています。ユーロ21.5億ドルの減少はかなり大きな下げ具合です。外貨預金、全975.2億ドルのうち、841.5億ドル(86.3%)が米ドル建てです。
誰が減らしたのか、ですが――。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年02月の居住者外貨預金動向」
企業が113.3億ドルも減らしています。ご注目いただきたいのは、2021年の「972億ドル」水準まで外貨預金が減少していることです。
『韓国銀行』はこの減少をどう説明しているかというと――、
ドル建て預金の場合、企業の輸入決済代金の支払い、海外直接投資資金の引き出しなどで減少。
-ユーロ預金と円預金は企業の現物為替売りなどで減少。
――です。「輸入決済代金の支払い」「直接投資資金の引き出し」で減少したといっています。韓国の貿易収支が赤転し、経常収支が赤字化傾向が強まっていますので、総体として外貨は流出するはずなのです。02月の外貨預金減少はこれを裏付ける結果といえるのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)