韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が訪米ウイークで、韓国メディアも張り切っていますが、中国も牽制球を放るのに必死です。
とにかく自由主義陣営国の中で最も弱い環は、衆目の一致するところ韓国ですし、まして中国には「韓国はわれわれの属国だった」という認識があります。
↑1929年版とされる国恥地図。薄い赤で塗られているのが中国が失ったと自称するテリトリー。朝鮮半島もしっかり入っています。台湾もそうです。現在の中国共産党政府は失地を回復して「偉大な漢民族の復興が成った」と言いたいのです。国際法を守らない理由は中国共産党の「かるあるべき偉大な中国」という妄想に反するからです。ただし、朝鮮半島については「一つの中国」とは言っていません。
以前にMoney1でも「中国の国恥地図」をご紹介したことがありますが、中国にとって朝鮮半島は「奪われた土地」であり「恥」なのです。
だからこそ朝鮮半島の南半分である韓国が中国のいうことを聞かず、中国側に立たないというのは許せません。
尹・バイデン会談の前に、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』が「あのブドウは酸っぱい」みたいな記事を出しました。
「韓国の尹氏は、中国を封じ込めるための「強力な米国の強制」に直面する」というタイトルです。
「ソウルの極端な外交政策は持続不可能で自己破壊的:専門家」というサブタイトルが付いています。
記事の一部を以下に引用してみます。
韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が月曜日に合衆国に出発した。
この訪問で尹大統領は、ワシントンの中国封じ込め戦略、特にチップ分野で、より大きな合衆国の強制に直面すると予想される。
中国の専門家は、尹氏が合衆国の指示を実行するために自己主張を強める可能性が高いと予測したが、このようなアプローチは、韓国合衆国のインド太平洋戦略において、自国の独立性と利益を犠牲にして「消耗品」となったことを意味し、持続不可能で自滅的なものである。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「S.Korea’s Yoon set to face ‘strong US coercion’ to contain China」
上掲の部分だけ読めば十分で、要は合衆国側に立ったとしても、自由主義陣営国側なんか酸っぱいぞといっているのです。だから、行くと大変なことになるぞと脅しています。
合衆国から「中国を圧迫する役割」を果たすことを強制されて、消耗品のように扱われるぞ――と。
おっかしな話です。では、韓国が中国側に立ったとして、韓国は中国から消耗品のように扱われないというのでしょうか。
何度もご紹介していますが、これは「合衆国と中国のどちらを取ればまだマシか」という選択なのです。
中国共産党が支配する国をとれば、自由がなくなります。韓国民はそんなことを許容するのでしょうか。尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは大統領就任式典で「自由」を最重要なものといいました。
韓国は自由民主主義を重んじる国である、と。
そんな尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が中国共産党の支配する国を選択するわけがありません。もし、それに背くようなら公約違反ですし、それこそ韓国という国はまたしても中国の属国に回帰することになるでしょう。
獅子身中の虫ともいうべき左派・進歩系の議員やアンポンタンなメディアもありますが、彼らは中国共産党礼賛が強いられるような社会、国になってもいいというのでしょうか。
決戦が行われているということをなぜ理解できないのでしょうか。
今このときが最も重要な戦いのときなのです。ここで一敗地に塗れるようなことがあれば取り返しがつきません。
中国共産党の英語版御用新聞から上掲のような牽制球がきていますが、韓国は怯んではいけないのです。
(吉田ハンチング@dcp)