G7広島サミットが無事に終了しましたが、「G7による中国への圧迫だ」として中国側はカンカンに怒っています。
とうとう中国から「自由主義陣営帝国主義」なる言葉が出ました。多くの人は誤解していますが、帝国主義は今でも存在します。御大の言葉を借りるなら「鉄砲を使うか¥を使うか」の違いだけです。
しかし、G7の結束が「自由主義陣営帝国主義」なら、中国がやっていることは「中国共産党帝国主義」ですし、中国ロシアの結束は「時代遅れの武力による帝国主義連帯」です。いったい時間軸から何周遅れなのでしょうか。
その意味では、今回のG7広島サミットにゼレンスキー大統領が参加したのは象徴的な意味があります。時代遅れにもほどがある「鉄砲を使う帝国主義国家」に対しては徹底的に抵抗し、その意図を破砕しなければならないということです。
ともあれ、自由主義陣営帝国主義連帯(わはは)の意図を中国が正しく理解しているのはいいことです。
――で、韓国。
招待された韓国はG8気分を味わって、韓国は世界にその存在感を示した――と大きく喧伝しています。
韓国側がどう思うかは他国にとってどうでもいいことなので、自画自賛に励まれればよいのですが、一方で韓国は中国の報復を恐れています。
読者の皆さんもすでにご存じかと思われますが、中国は2023年05月21日の夜、アメリカ合衆国『Micron』の半導体が「サイバーセキュリティー審査に不合格となった」と公表しました(以下は『中国国家インターネット情報弁公室』のプレスリリース)。
⇒参照・引用元:『中国国家インターネット情報弁公室』公式サイト「中国で販売されたマイクロン製品はサイバーセキュリティー審査に不合格」
これは明らかに合衆国の締め付けに対しての報復です。
興味深いのは、このプレスリリースの末尾が「中国はハイレベルな対外開放を断固として推進しており、中国の法令を順守している限り、あらゆる国の企業やさまざまなプラットフォームの中国市場への参入を歓迎する」と結ばれていることです。
簡単にいえば、言い訳であり、逃げを打っているわけです。ただし、これによって『Micron』の製品は中国市場から締め出される可能性が高まりました。
韓国はこのような措置を恐れています。
日中韓の首脳会談を開くのはどうだろうか?
中国への言い訳をしたいのか、それとも日本を盾にしたいのか分かりませんが、韓国が「日中韓首脳会談を開催すること」を画策しています。
韓国メディア『聯合ニュース』の記事から以下に一部を引いてみます。
韓国国家安保室の金泰孝(キム・テヒョ)第1次長は22日、テレビ番組に出演し、「中国と日本、中国と韓国の2国間戦略対話を始めようと思っている。計画が進んでいる」と明らかにした。
また、「中国も懸案について韓国、日本と対話が必要であることを認めている」として、「両国間で懸案が積極的に議論されれば、適切な時期に韓中日首脳会談も(開催を)話し合える雰囲気になると思う」と述べた。
(後略)
なぜ、韓国の国家安保室次長が「日本と中国」の二国間協議を始めようと思っているのかが全く分かりませんし、日中間の対話協議を進めているのか(進めることが可能なのか)が不明です。
G7広島サミットが終わったばかりで、日中間の協議を仲良さそうに始めたら合衆国はじめ自由主義陣営国に対して間違ったメッセージを送ることになりかねません。
韓国は今すぐにでも中国との対話を行って「いや、違うんです」と言い訳したいのかもしれませんが、日本を巻き込むのはやめていただきたいものです。
このような動きから見えるのは、韓国にはやはり覚悟がないということです。「G8に編入されて偉そうな顔はしたいけれども、中国と対立するのは嫌」というのが本当のところなのです。
「国力からいえばG8になって当然」などと主張していますが、最も重要な「価値観を共にする近代国家であること」という前提を全く理解しておりません。
だからこそ韓国はG8にはなれませんし、ふさわしくもありません。
(吉田ハンチング@dcp)