我らのガースーこと菅義偉元首相が訪韓しました。
2023年05月30日、菅義偉元首相は韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領と会談を行いました。
以下が韓国の第20代大統領室が出したプレスリリースです。
2023.05.31
尹大統領「韓日両国、大胆な一歩を踏み出すことを望む」尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は本日(05月31日、水)午後、日韓議員連盟の新会長(03月27日就任)の資格で訪韓した菅義偉元首相を接見しました。
大統領は、03月17日(金)の訪日を機に菅元首相と会談し、この席で大統領は菅元首相を訪韓に招待したことがあります。
大統領は、過去2カ月間に3回の日韓首脳会談を通じて両国関係の完全な回復を達成したとし、価値と利益を共有する日韓両国が安全保障、経済、技術分野の協力を具体化しながら、国際社会の様々なアジェンダに共に対応していくべきであると述べました。
特に、宣言や言葉だけでなく、実際の履行を通じて、日韓関係改善の恩恵を両国国民が体感できるように共に努力していくことを述べました。
また、大統領はこれまで立法府間の交流において両国議員連盟の役割が大きかったことを想起し、議員内閣制である日本で日韓関係の世論を形成する上で日韓議員連盟の役割が非常に重要であるため、今後も菅元首相が両国議員間の交流とコミュニケーションが活性化されるよう中心的な役割を果たしてほしいと要請しました。
菅元首相は、この1年間に起きた日韓関係の変化は、大統領の強力なリーダーシップと決断がなければ起こり得なかったとし、これまで両国関係の硬直の原因となっていた懸案事項が解消されている状況であるため、このような成果が他の分野に広がるように日韓議員連盟のレベルで引き続き努力していくと述べました。
続いて菅元総理は、今朝の北朝鮮の偵察衛星を装った弾道ミサイル発射に見られるように、日韓、日米韓間の安全保障協力の重要性がさらに高まっていると述べました。
これに対し、大統領は、日米韓3国が安全保障、経済協力を通じて、最終的に世界市民の平和と繁栄に貢献することは、世界史の流れに順応することであり、日韓両国民の支持と政治指導者の意志が一致し、このような方向に大胆な一歩を踏み出すことを期待すると述べました。
本日、菅元首相を接見した席には、武田良太『日韓議員連盟』幹事長も同席しました。
すごいのは、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が「日韓関係の完全な回復を達成した」と述べていることです。
さあ果たしてそうでしょうか。
菅元首相は「懸案事項が解消されている状況」としています。実務派で着実な菅さんらしい言葉です。
尹大統領の大言にリップサービスで応えたりしませんでした。
状況は変化するものです。
「また韓国か。もう韓国はいい」と激怒したと伝わる菅さんですが、菅さんには李丙琪(イ・ビョンギ)さんというパイプがあります。
この李丙琪(イ・ビョンギ)さんは、朴槿恵政権時代に駐日韓国大使、国家情報院(国情院)の院長を務めた人ですが、菅さんは李さんと慰安婦合意をまとめた過去があるのです。日韓に分かれてやり合いましたが、菅さんにとっては戦友みたいなものです。
その後どうなったかというと……文政権が成立し、苦労してまとめた合意を破棄。
2017年には「情報収集のための活動費を大統領府幹部らに渡した容疑」で李丙琪(イ・ビョンギ)さんは逮捕され、翌2018年に懲役3年6カ月の実刑判決を下されました。
菅さんは、政権が左派・保守系に変わったとたん戦友が投獄されるという「状況」を見てきました。
菅さんからすれば「韓国は政権が変わると何をされるか分からない国だ」という思いを強くしたでしょう。今は尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領なので「状況」は変わったが、それもどうなるか分からない、と考えているのではないでしょうか。
菅さんご自身は今回の訪韓について以下のようにtweetしています。
さあ、果たして日韓関係は完全に回復したのでしょうか。日本のマスコミの皆様がたは少し浮かれすぎではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)