危機的状況に陥っている『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)。とりあえず電気料金は一部上げましたが、先にご紹介したとおり赤字で資金調達が焦眉の急という状況は変わりません。
『国会立法調査処』が「約44%」の値上げが必要としていたのに(2022年12月28日時点)、約14.0%(1・2次値上げを足した数字)しか上げませんでしたので、まだ赤字経営は続くのです。
『韓国預託決済院』が公表したデータによると、『韓国電力』は2023年06月12日、新たな社債を発行しました。
3年物:1,400億ウォン(年利4.06%)
小計:4,000億ウォン
『韓国電力』は「明日から電気料金を値上げします!」と無茶苦茶な発表をしたのが2023年05月15日。翌日16日から「5.3%」上げました。
しかし、やはりそれでもキャッシュフローは苦しく、値上がりした同日に「4,000億ウォン」の社債を発行しているのです。
さらに05月25日には、さらに「4,000億ウォン」の社債を発行しました。
今回の公表分を合わせるとこうなります。
05月16日:4,000億ウォン
05月25日:4,000億ウォン
06月12日:4,000億ウォン
小計:1兆2,000億ウォン
もともと電気料金が必要な分上げられませんでしたので、こうなっても仕方ありません。足らない分は調達するしかないからです。
しかし、もともと『韓国電力』の社債発行額にはキャップがはめられています。これを超えることはできません。
キャップ回避のためでしょう、社債発行額を抑える代わりにCP(Commercial Paperの略:約束手形の一種)の発行残高が上がっています。
2022年末時点で「3兆2,500億ウォン」だったCPの発行残高は、06月12日時点で「5兆1,000億ウォン」まで膨れ上がっています。
約1.6倍に増加しました。
多重債務者のように、あっちからこっちへ、こっちからあっちへと借金を拡大させているのが、『韓国電力』の現状です。
泥沼は続いており、もちろん「電気料金の値上げ」がまた必要です。
(吉田ハンチング@dcp)