中国のリオープニングが期待したほどではなく、景気が再び沈下するのでないかという観測が強まっています。
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』は「中国の回復が遅れているという見方は間違っている」という記事を出し、国家統計局も「中国経済の回復を確実」という資料を公開しているのですが――本当にそうなのか?です。
中国が再沈下に向かってるからこそなのでは?という動きを当局が見せています。
「特別国債の発行」です。
※一般国債の発行で財源を調達する場合は政府債務が増加しますが、特別国債の場合は、政府予算勘定ではなく、政府基金形式の別途項目として編成されます。
特別国債は、流動性を増加させて(お金をまいて)経済を救わなければならないときに発行されてきた過去があります。
例えば、アジア通貨危機が発生した翌年の1998年、リーマンショック前の2007年に発行されていますし、直近ではコロナ禍の2020年にも発行されているのです(2022年は借り換えのための発行がありました)。
中国政府としては、財政収支の悪化は避けなければなりませんが、3年ぶりに特別国債が発行されるのは、それだけの危機感があることを意味しています。
同様に、多数の不動産を保有することを禁止したくせに、これを緩和するという発表も行っています。明らかに、『恒大集団』事案などで低迷に陥った不動産市場を回復するための措置です。
総じていえば、Money1でも先にご紹介したとおり、中国経済は失速、再沈下の危機に瀕しているというわけです。
(吉田ハンチング@dcp)