Money1で何度も触れていますが、円高に振れると間違いなく株安になります。また、こちらも繰り返し述べていますが、アメリカの長期金利の上昇に対して日本は金利をすぐに上げるわけにはいかない状況です。日米の金利格差が大きくなれば、日本株式市場に投資する意味はほとんどなくなります。
というような文脈なので、日本の株式市場に投資する初心者トレーダーからすれば「円高はやめてねー」なのですが、02月16日の麻生閣下の答弁が非常に明快で格好良かったのでここでぜひ紹介したいのです。
なにせ安倍・麻生のコンビがトランプ大統領に呼ばれて訪米する前には、「日本は円安に誘導している。為替操作国だ」なんて名指しされていましたからね。
さて02月16日。維新・丸山議員が「日本が円安に誘導してるんじゃないか、というトランプの指摘に対して、財務大臣としてどう考えているか」と問われて、麻生閣下はこう答えました。
麻生大臣「(前略)対日貿易赤字になったのはドル高円安のおかげなんだ、と言われたんだと思いますが。
もともと同じこと言ってきましたが……会議のたびに同じ場面になったら同じことを言うだけですけれども。
もともとリーマンブラザーズというお宅で起こした問題のおかげで世界中が迷惑して、あのときはいくらだったか覚えているか、と。(1ドル)120円だったんだぞ、と。しかもあのときに、お宅らがあっちこっちに売りつけたサブプライムローンなる怪しげなる金融派生商品のおかげでみんな世界中迷惑したじゃないか、と。
そのとき……みんなが……早い話が市場からキャッシュがなくなったわけですよね。みんなバッと引いちゃったもんだから。マーケットから全くキャッシュがなくなったときに日本だけが1,000億ドル、ローンをIMFにして、結果としてそれが世界の金融収縮を助けたと。
それを日本はやった、と。その後お宅らはどうした、と。お宅らは……イギリスとアメリカは間違いなくやたら金融を緩めて、結果としてポンド安、ドル安を演出して、日本はその間(1ドル)70円代まで円高になって、日本は一回でも文句言ったことがあるか、と。
ずっと耐えてきたじゃないか、と。それが今100円になったからといって何が文句があるんだ、と言って以降反論されたことは一回もありませんから。
(中略)
そういったことも歴史の話になってきてますので、新しく来た人にきっちりそういったことを言って、日本が独歩安(日本だけが円安を進めている)わけではない、金融を緩めたのは単なるデフレ対策でやってるだけ。(これを)相手が変わったら同じことをきっちり言わにゃいかん、と思っております」
なんて格好いいんでしょうか(笑)。しかも麻生閣下は英語がしゃべれますからね! 日本の財務大臣として麻生閣下は最強クラスといえるのではないでしょうか。
(高橋モータース@dcp)